昨年10月のことになりますが、日帰り輪行で奈良県にある吉野山を走ってきました。
(ページ最後にRide with GPSで作成した走行ルートを掲載しています。地図上のタイトルをクリックしていただくとルートの詳細もご覧いただけます。)
10月19日(水) (気温11℃、日中は18℃まで上昇)
以前から気になっていた奈良の山。やっと走れました。
個人的なイメージで奈良=山だったので、ためらってなかなか踏み込めずにいましたが、やっぱり奈良の山は深かったです。
色とりどりの緑とあちらこちらから流れる川の水がすこぶる綺麗でした。
07:30 Moku2+4本店を出発。
07:50 京都駅着
08:10 モールトンを輪行袋に収納。今回はスムーズに収納できました。
08:20 切符を窓口で購入して、近鉄京都駅ホームで電車を待ちます。
08:45発 近鉄京都線特急 橿原神宮前行き (乗車時間53分)
近鉄特急はすべて指定席です。
近鉄特急での輪行ははじめてだったので、窓口で自転車を2台載せたいと説明したら、優先座席のある車両をお勧めいただいたのですが、最後尾の座席がひとつになっていたので、モールトンを横にしても置けなくはなさそうでしたが、横幅が座席から少し出てしまっていたのでハンドルを下にして縦置きにしました。
近鉄特急に関しては優先座席のない車両の方が自転車は載せやすいかもしれませんね。
最後尾のスペースが確保できれば横にして置いていますが、先約で置けなかった場合はモールトンを縦にして膝の前に抱えて座ったりもしています。万が一の対処法といった感じですが、その時もハンドルは下にして置いています。
確証はできませんが、一応今のところこの縦置きで自転車のトラブルが起きたということはありません。
09:38着 橿原神宮前で下車。近鉄特急さくらライナーに乗り換え
09:46発 近鉄特急さくらライナー 吉野行きへ乗車。(乗車時間40分)
この乗り換え、8分しか時間がなかったので結構焦りました。
見渡しても次に乗り換えるホームが見えなかったので駅員さんに聞いて、構内踏切を渡って、階段下りてまた上って、ホームに辿り着いたそのタイミングで乗車するさくらライナーがホームに入ってきました。
モールトンを抱えたまま写真を撮って、指定席の乗車口を慌てて探して乗り込みます。
乗り込んだ早々に現れたガラス張りの小部屋は近鉄特急さくらライナーの喫煙ルームでした。思わず「わぁ」と声が出てしまう楽しいデザインですが、この喫煙ルームの奥が座席に繋がるドアだったので、広い空間から急に幅が狭くなるため、自転車を担ぐ角度や位置を考えないと壁に干渉するので注意です。
さくらライナーの最後部
空いていたので左右二手に分かれて輪行袋を置きました。
車窓からの風景
10:11 下市口駅で下車。
切符を購入した時点では終点の吉野駅まで乗る予定でしたが、4つ手前の下市口駅から吉野山を目指すプランに急遽変更しました。
何となくの計画で『吉野駅→下市口駅』回りでサイクリングをしようと考えていましたが、吉野駅が終着駅なので帰りはその方が座りやすいだろうと『下市口駅→吉野駅』に変更しました。さくらライナーとはここでお別れ。
下市口駅の構内踏切を渡って改札へ向かいます。
吉野駅まで切符を買っていたので差額分を返金してもらえました。
10:20 自転車組み立て開始。
10:50 サイクリングスタート。いざ吉野山へ。
穏やかな田園風景。ものすごく落ち着きます。スタートから20分も経っていません。
この辺からじわりじわりと上り始めます。
『行者の滝』
坂の序盤で偶然見つけた小さな滝。
道中で時折『行者の滝』と書かれた案内看板を見かけていましたが、山の奥深いところを想像していたので、近くを走っていても立ち寄らないだろうなと思っていましたが、何気なく走っていたらフワッと石碑が現れたのでいそいそとモールトンを停めました。
この行者の滝、源義経が兄の頼朝から逃れて吉野へ訪れた際にここで馬を洗って休息を取ったという言い伝えから『義経馬洗いの瀧』と呼ばれているそうですが、案内の挿絵を見ると葛飾北斎の『和州吉野義経馬洗/1833年』が描かれていました。
ここに義経がいたのかも?!と想像するとタイムリープのドラマみたいな感覚です。
静かなこの滝で皆で少しの間からだや心を休めたのでしょうか。
走り出してから30分も経っていませんが、この滝の雰囲気が居心地良くてこのまま先へ進むのも惜しい気がしたので井村屋のカステラを食べました。
パッケージがしっかりしてる分、ゴミもかさ張るので持っていくのを躊躇しましたが、この巨大バッグなら余裕でした。私たちもしばしの休憩です。
行者の滝をあとに、じわりじわりと上っていきます。
トンネルが出てきました。
ワープです!
トンネルはクルマやバイクが通ると爆音が響くので苦手ですが、交通量の少ないトンネルはありがたみしか感じません。
11:50
また別の地域に出てきました。全体のどこを走っているのか検討もつきません。
事前にパソコンで作成しておいたルートをGPS搭載のGARMINに読み込んでナビ通りに進んでいきますが、集落に入ると道も増えるので、無理に進まずに早めにスマートフォンで現地点検索をします。多分こっちだろうと思う方向へ進みます。
カマキリに横切られ…
民家が途切れた辺りから、いよいよ勾配がキツくなってきました。
麓の集落から20分ほどで到着。
AM-GTは、ほぼ立ち漕ぎで無事完走です。
遅れること3~4分。AM-20到着です。
1/4は歩いていたと思います。
奈良の山は険しいぞと意気込んで、リアスプロケットとフロントのチェーンリングを軽めのギア比に交換して、ポジションを変更するためにハンドル周りも交換して望んだのですが回せませんでした。
以前に島根の日帰り輪行の峠で膝が痛くなったことをキッカケに仕様変更を加え続けていますが、ポジションを変更することで膝の痛みは解消されましたが、ギアの構成については現在も試している最中です。またいずれこの短期間で二転三転した仕様変更の経緯をご紹介出来ればなと思っています。兎にも角にも今回走った坂の中で一番キツかったです。
ここから下り始めるのではなく、小さく下ったり上ったりで、しばらくは山の尾根といっていいのか分かりませんが山の上側(?)を走ります。
気持ちの良い風が通る山の集落。
ふわぁ~と優しく吹き抜ける澄んだ風がとても心地良かったです。
12:40
広橋地域に入ってきました。急に観光地っぽい雰囲気に変わります。
この広橋地区は奈良県でも屈指の梅の名所なんだそうで、5000本もの梅の木が植えられているそうですが、走っていても梅の木が群生してるところが見つけられなかったので、私たちはこの地図のどこを走ってきたのだろうか...。
毎年3月には『梅の里山まつり』も開催されているそうです。
梅林の雰囲気を全く感じないまま、黒滝村の方面へ向かいます。
道は良くないですが、木々に囲まれたこんな道の方が走っていて楽しいです。
山を下りてきたところに『ザ・トンネル』の看板(ラーメン屋さん)。
ザ・トップテン的な字面に惹かれて思わず撮影。(国道309号線)
ルートを作成する時は極力、幹線道路を避けるようにしていますが、どこかでコースアウトしていたようです。山の中の道を走る予定が国道に出てきてしまいました。
方向は間違っていないので、しばらく幹線道路を走ります。
13:30
道の駅 黒滝村に到着。
ここで昼食をとります。
焼き芋...。
豊富なメニューに目移りします。
悩んだ挙句、きのこ汁、湯葉丼、もつ煮込みどんぶり、しし串を注文。
しし串。
他のものを待ってる間、注文したそばから受け取れるしし串。
初っぱなから揚げ物になってしまった。
きのこ汁、湯葉丼、もつ煮込みどんぶり。
思った以上に小振りでした。
これでは足りないと焼き芋を買おうとしたら、大きいサイズしかなく断念。
あたたかい焼き餅を買いました。
14:30
お土産も買いました。
サイクリングを再開。吉野山へ向かいます。
ヘビに横切られ…(本日、二度目のヘビ)
『地蔵トンネル』
トンネルを出たところにある石碑。
1.3km弱の長~いトンネルでしたが、1台もクルマとすれ違わなかったので楽しかったです。この先にある黒滝村に行きたかったのですが、今日中に帰れそうにないので次の機会に。
黒滝村に限らず、奈良県には日帰りでは難しい魅力的な地域がたくさんあります。
モールトンで訪れたい地域がどんどん増えてくるので嬉しいような悩ましいような…。
ここからは下りです。
澄んだ小川沿いを走ります。
看板には『おもいっきり自然 黒滝村』と書いてありました。
15:20
そそられる道に出会いましたが、帰れなくなるのでここは断念。
後ろ髪惹かれる想い…。
ここからまた小川沿いを上って、また下ります。
15:40
吉野山の看板。
ここの分岐点でコースアウト。
気持ち良く下っていたので、そのまま道なり(洞川下市線)に下っていったのですが、山を上っていく道(才谷吉野山線)が正解でした。
ちょうどこの分岐点のところで道路工事の交通誘導されている方がおられたので、その方に尋ねることができたので大きくコースアウトせずに済みました。
基本的にサイクリングコースを作成する際は交通量の少ない道を探すので、稀にクルマやバイクとすれ違うことはあっても道を尋ねられるその地域の方と出会うことがほとんどないので助かりました。
先ほども山の道でコースアウトしていましたが、GARMIN520の簡易マップは立体的なイメージがしにくいので、こうやって時々間違うことがあります。GARMINの上位機種であれば迷うことはないかもですね...。
石碑には『蓮如上人 御手植之杉』と書かれてあります。
浄土真宗 蓮如上人が植えられたと伝えられる一本杉なんだそうです。
偶然にも樹齢550年の大木にお目にかかれるとは…ありがたい。
しばらく下ってまた少し登るの繰り返しです。
杉に囲まれた気持ち良い山道。
写真には収められませんでしたが、杉の木が途切れてブワッと広範囲に苔むしたところがありました。もののけ姫の”こだま”がいそうな深い緑の森です。
ゆっくりと高度が下がっていきます。
16:00
えっちらおっちら静かな山道を登っていくと神社の鳥居が見えてきました。
桜の名所で知られる吉野山の観光スポットに到着です。
『勝手神社』
吉野山から大峯山にかけての一帯は『金の御岳 - 金峯山(きんぷせん)』と呼ばれているそうで、社寺が点在するこのエリアは聖域とされ、福岡県の英彦山、山形県の出羽三山ともに日本三大修験道のひとつとして信仰を集めているそうです。
こちらの勝手神社は、「入り口・勝手口」を意味する「勝手」の字面から勝負事や戦の神として信仰されているそうですが、2001年に不審火で本殿が消失したため、ご神体はこの近くにある吉水神社に遷座されているそうです。吉水神社にお参りしたいところですが、すでに夕方の4時を過ぎていたのでこの勝手神社で再建復興を願いました。
素晴らしい見晴らし。
この辺りは急斜面で道も狭いのですが、この時間帯になると参拝者もクルマもほとんど見かけなかったので吉野の雰囲気を楽しみながら走ることができました。
走りやすいのは良かったのですが、夕方4時を過ぎていたのでお土産屋さんや飲食店のほとんどが閉まってるか仕舞い支度をされていました。
柿の葉ずし屋さんがたくさんあったので、営業しているお店を探しながらゆっくり走っていたら、1件だけ辛うじて営業されてるお店があったので尋ねてみましたが売り切れでした…残念。
このまま下っていくと、金峯山寺の総門『黒門』が見えてきます。
金峯山寺の総門『黒門』
公家大名といえども、ここからは馬をおり槍を伏せて歩いたといわれる吉野山の関所的な門です。予定では吉野から下市口駅を走るコースを考えていましたが、午前中だと参拝者もクルマも多かったと思うので逆のコースにして良かったです。
黒門から延々と下っていきます。
道すがら小さな神社に出会いました。
16:35
『幣掛神社(しでかけ じんじゃ)』
幣掛神社の御祭神は穢れをはらう水の神とのこと。
大峯山へ登拝する入口として、古くから安全を祈る第一の神社として鎮座されているそうで、境内の湧き水は、どれほど日照りが続いても今日まで枯れたことがないといわれているそうです。
手水舎のある小さな神社を見つけたらお参りしたくなるのですが、山と一体となった素朴で静かな神社でした。とても印象に残っています。
16:40
幣掛神社を下って、ほどなくすると近鉄『吉野駅』の看板が見えました。
なんだかあっけにとられたというか、山の麓とはいえ、もう少し町の中に駅があると思っていたので、もう着いたの?という感じでした。山の麓ギリギリまで線路が延びてる感じです。
カッコいい吉野駅の看板。
薄暗くなってきました。
でもまだ電車のある時間帯なので時刻表は確認せずにモールトンを収納し始めます。
17:20
券売機で切符を買って誰もいない駅のホームへ。
17:34 発 近鉄吉野駅(のりかえ橿原神宮前)
待ち時間は10分ほど。
駅員さん以外、私たちしかこの駅にいませんでした。
山に囲まれた広くて綺麗な駅です。
帰りの近鉄特急はこんな感じでモールトンを置くことが出来ました。
このスペース、めちゃくちゃ便利です。こういう仕様の電車がもっと増えてるといいなぁ思いました。
この車両には座席ひとつひとつにコンセントが装備されてました。便利すぎる。
19:20 着 近鉄京都駅
吉野駅から橿原神宮前で乗り換えて2時間弱で到着しました。
橿原神宮前駅の乗り換え時間が12分あったので、帰りはゆっくり乗り換える余裕がありました。でも何故か乗り換えは毎回焦ります。時間があるのに急いでしまいます。
近鉄京都駅は、改札まで階段がなくフラットに移動できるので嬉しいです。
『車窓食堂』
今回は駅の売店も開いてる時間に帰ってこれたので少し散策。
近鉄京都駅の改札を出たらこんな売店がありました。
柿の葉ずしを見つけたので迷わず購入。吉野山の心残りがひとつ解消されました。
他にも魅力的なお店が…551の蓬莱には列が出来ていたので断念。
19:40
京都駅八条口側のいつもの場所で組み立て開始。
20:00
車窓食堂で買ったお弁当も巨大リアバッグに余裕で入りました。
帰路へ。
走行距離:40km
走行時間:4時間半
平均速度:7.5km
事前に無料ルート作成アプリ『Ride with GPS』で作成したルートでは走行距離が35km弱でしたが、迷ったり脱線したりして+5kmになりました。毎回必ず予定よりオーバーします。
今回も相変わらずモールトンは重たかったのですが、それも含めて楽しい旅でした。
家を出たそばから、家に帰ってくるところまで、まるっと全部楽しめるモノってそうそうないなぁと思っています。
旅行は詰め込みすぎて疲れることが多いので苦手意識があるのですが、モールトンで輪行を頻繁にするようになってから、訪れたい地域がどんどんどんどん増えています。
走るルートは作成しますが、あとは気の向くまま。ゆっくりと時間が流れていくのが心地良くて、大きくもなく小さくもない範囲をモールトンのゆったりとしたスピードで、空気を感じて、雰囲気を味わって。いろんな事に気づかせてくれます。
モールトンと出会って22年ほどになりますが、これまでで一番モールトンと楽しい時間を過ごせている気がします。
輪行は億劫なイメージもありますし、モールトンも軽くはないので、なかなか気軽にとはいえないかもしれませんが、それを超えた時の充足感が想像していた以上に大きいと感じるので、ひとりでも多くの方にモールトンの輪行の楽しさを味わっていただきたいなと思います。
ーールート作成のポイントがこれまでと今とでは変わってきているーー
数年前までは自転車と自動車の2+4スタイルを基本にルートを考えていましたが、輪行が日常に溶け込みつつあるので、気軽な気持ちでどんどん行けるようになってきました。
クルマだと運転して帰ることも考えておかないといけないので無理できませんが、輪行だと電車で休めるので気持ちも楽です。
今回は昼食場所の道の駅まで15%~18%前後の勾配が長く続く峠がありましたが、AM-GTで荷物を積みながらの走りは流石にこたえました。ほぼ立ち漕ぎです。でも輪行なら結構な坂がありそうだけども行ってみよう!という気持ちになります。
最近では走りたい地域を見つけたら、まずはルートを引くタイミングで電車の駅が取り込めるかどうかをチェックしています。
電車の駅とお目当ての地域が少し外れていたら、その外れた駅からアクセスできる地域にルートを変更したりもします。
行きと帰りの駅を変えて、コースを往復せずに走れるのも輪行ならではで、”駅”という縛りはありますが、それ以外は自由なところも性に合ってます。
スタートとゴールを決めるだけではなく、山の中や小川沿いで雰囲気の良いところがあれば立ち止まって甘い物でも食べたり、また道の駅があればお土産を探すのも楽しみの一つです。
今回は、今まで以上に積載量を増やして大型キャリアに大型バッグを取り付けて自宅からおやつを持参、帰りには駅弁も買って帰れたのでこれも楽しかったですね。
輪行するとフレームやパーツに傷や凹みが出来てしまうことも当然あります。その瞬間は「やってしまった」となりますが、それも踏まえて輪行だと思っています。一応タッチアップしたり小細工はしていますが、その使用感も味になるので、基本的には気にせず輪行を楽しんでいます。
ーーAM-GTでの輪行についてーー
前回の輪行ではクロモリフレームのAM-Jubilee25thで行きましたが、今回はステンレスフレームのAM-GTにしました。
モデルを変えてみたのは、同じ17インチ同士で山を超えたときに感じるフレームの素材の違いと、ブレーキシステムの操作感を感じたかったのが理由です。
モールトン自転車は、前後にサスペンションを備え、どのモデルもしなやかな乗り味ですが、クロモリとステンレスでは明確に乗り味が違います。
モールトンという自転車を説明するときに、それぞれの良さや違いを実際に自分自身で感じて伝えられたらと常に思っているので、今回のこういったロケーションではどう感じるのか、毎日の通勤だけでは限界がありますし、自分自身の体も変化していくので、この時はどう感じるのかということを常に更新するためにモデルを変えています。
17インチシリーズでAM-GT Mk1とAM-Speed S MK1のみリアフォークピボットの位置が他の17インチシリーズと異なり、ペダリングロスを抑えた設計になっています。パキッとした少し硬めのステンレス素材とペダリングロスを考えたピボット位置との合わせによって、ペダルを踏み込むと前に進みます。この進む感覚も楽しいのですが、旅的なロングライドになってくると、もう少し足に優しいクロモリのJubileeを選ぶ傾向に今のところはなるのかなと思います。
ステンレスとクロモリのどちらのモデルが良いかと時折聞かれることがありますが、ステンレスモデルはクロモリにはない光り輝くジュエリーのような美しさがありますし、クロモリはよりモールトンのしっとりとした乗り心地が楽しめるので、それぞれの特徴をご説明した上で、最終的には好みとお伝えしています。
それと、セーフティレバーとブレーキレバー一体型のブレーキシステムで峠を走ったらどう感じるのかもみたかったのですが、想像していた通り、今回走ったセーフティレバーと一体になったブレーキレバーと極太スポンジグリップの組み合わせは、上がったり下がったりを繰り返しながらゆっくりと峠を登るロケーションには最適でした。使いやすくて楽です。
32年前のAM-Jubileeは、当時からのフルオリジナルのコンポーネントで乗っていまして、何気にフルオリジナルという部分にこだわりを持っていたんですが、今回の山登りでAM-GTと同じブレーキレバーに変更したくなったので、とうとう崩そうかと考えています。
あとAM-GTはフロント3速が必須だと感じたので、早めにカスタマイズしたいところです。目指せスーパーローギア。目指せ一対一越え。
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おまけ:モールトン博士の小さな気配り
AM-GT MK1 大型リアキャリアには小さな細工が施されています。
大型リアキャリアを装着する際は、両サイドから大小2本のボルトを使って締め込み固定します。
画像の手で触れているボルトは、大型リアキャリアを固定する左側の短いボルトですが、輪行時はリアキャリアを取り外すので、右側の長いボルトだけがシートクランプに収まっている状態になります。
するとこの左側の短いボルトの行き場がなくなってしまうということで、モールトン博士はこの小さな左側ボルトの行き先をリアキャリアの一部に設けています。
それが画像にある六角レンチを差し込んでいる場所です。
輪行時はここに左側のボルトを収めて持ち運びます。これでボルトを失わずに済みます。
モールトン博士がモールトン自転車を設計する際に、携帯して持ち運ぶことを前提にデザインされているという事がよく分かります。
以前、モールトン博士は「モールトンはクルマのルーフキャリアに載せるのではなくて、分割してクルマの中に収納して欲しい」と言われていたことを思い出します。
様々なシチュエーションでモールトンを楽しんで欲しいというモールトン博士の気配りを感じますね。
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<AM-GT Mk1 ボルドーメタリック>
・大型リアキャリア
・モールトン純正 Karrimor リアバッグ(廃盤品)
・Tool Bag
・POLARボトル 24oz(麦茶)
(通勤で使っているフロントのフラットキャリアを取り外す/ボルト1本で脱着できるので簡単です)
<AM-20 MK1 カリフォルニアブルー>
・大型リアキャリアを外してDayキャリアを装着
・Carradice QRスポーツ(ワンタッチでサドルバッグが脱着できるキャリア)
・Carradice ショルダー(輪行時に使用)
・Moku2+4 Original Tool Bag & Snap-on ラチェットセット
・POLARボトル Mini 12oz(麦茶)
(通勤で使っているフロントパニアラックを取り外す/ボルト2本で脱着できるので簡単です)
今回も無料ルート作成アプリ「Ride with GPS」でコースを作成して、GPS機能付きサイクルコンピューターGARMINに読み込みました。