2021-07-06

AM-New Series Mk1 (Royal Blue)

2000年に製造された初期型のAM-New Series Mk1です。
Moku2+4 店主 5台目のモールトンです。

このモールトンのコンセプトは、パスハンター(pass hunter)。
パスハンターとは
1970年前後に日本で生まれた車種の呼び名で、海外でもこの言葉が使われています。
山々が多く占めている日本の国土において、
小道、峠(pass又はpath)をハンティング(hunting)することから名付けられました。
痺れるネーミングですね。
ツーリング車(ランドナー等)をベースに、
峠を越えながら車体を担ぐことも考慮して、
出来るだけ車体の重量を軽く、
ギヤ比も軽めに設定されているところが特徴です。

気軽に輪行して、走りたい地域だけをピンポイントに走ることができれば、
モールトンでまた違う楽しみが発見できそうかなと思いました。
「ピンポイントに楽しむ」ここが今までと違うところですね。

例えば輪行で、京都駅→小田原駅、
小田原駅→箱根登山鉄道、乗り継いで箱強羅駅で下車。
強羅駅でモールトンを組み立て、芦ノ湖回りで小田原駅まで。
箱根駅伝のルートも取り入れながらの登り基調の約30km。
こんな風にルートを妄想するだけでもワクワクして楽しいです。


New SeriesのMk1(初期型)だけに採用されていたダンパー付きハイドロラスティック(左)、
フランジ付きオイルレスブッシュ(右:無給油で使用でき、薄肉・軽量でコンパクト)

ダンパー付きのハイドロラスティックは見た目にも特徴的ですね。
モールトンのハイドロラスティックはここから始まったんですよね。

初期型フレクシタースプリングのフロントサスペンション。

当時の純正ハブ イギリス製 "Hope" 。
スポーク本数は前後とも20Hで、モールトン博士がサスペンションやフレーム剛性の他、
重量も意識していたのが感じ取れます。


TA クランクセット。
歯数は登りを意識して軽めの50-38T。

ボトムブラケットシャフトは、フランス製 "TA"。
少しでも軽量にするためスチールシャフトからチタンシャフトに変更。

左)スチールシャフト 158g、右)チタンシャフト 88g。

リアディレイラーは、シマノ Dura-Ace 7700。

スプロケットは10-27Tのワイドレシオ。
モールトンオリジナルの10TとDura-Ace 7700との組みわせ。

ハンドル回りはMoku2+4 オリジナル モスキートバーに
ENE CICLOのシフトレバー(Wing Shifter)
以前から、シフト台座ひとつとってもモールトンとなれば高価になるので、
純正シフト台座を使わないコストを抑えらるプランはないかと考えていました。
見た目も操作性も良い感じに仕上がったので嬉しいです。

このような指の位置で変速ができるので、
ブレーキレバーとシフトレバーの位置関係が近づき操作がしやすいです。

このシフトレバーは、メーカー推薦の取付位置に対して反転して取付けています。
指の位置を確認しながら試乗すると、
モスキートバーには反転させた方が操作しやすかったです。

バーテープは、青と赤が入り混じったブリティッシュ テイストな
デザインバーテープの"ノクターン"柄。


サドルは、イギリス製"BROOKS B-17" レッド。

これは少し前から密かに温存していたモールトンです。
これでDouble Pylon Mk1、AM-GT Mk1、AM-Jubilee 25th、
TSR-Gravel、に続いてのNew Series Mk1 。
この5台のモールトンは、決してコレクションでは無くそれぞれに用途があります。
気分やその時のスタイル、用途に合わせて乗り換え、そして乗り比べています。
それぞれの用途の説明はまた別の機会に。

違うモデルのモールトンを複数台所有しているのは、通勤や日々の足として日常的に乗ることによって、カタログや本に説明されている内容ではなく、
良いも悪いも自身が感じていることをお伝えできればという思いもあります。
「モールトンが好き」というのは大前提にありますが、
これは決して趣味ではなく、約30年前に初めて職に付いた自動車整備士(クラシック・ミニ)の時代からの情熱が継続しているかもしれませんね。
バランスの良いNew Seriesに仕上がりました。