フレームの加工を終え、ここからは組み立てに入ります
ギアの歯数についてのご要望で、サーキットなどのシチュエーションでも巡航速度が維持出来る歯数を望まれていたので、フロント62-52T、リア9-32Tとモールトンでは最大の高速仕様になっています。
が、62Tのチェーンリングに合わせてフロントディレイラーの位置を調整すると、ロウ付けされているディレイラー台座とフロントディレイラーが干渉するためディレイラー台座をほんの少し削ります。
ホイールハブのベアリングをカンパニーニョーロ純正セラミックベアリングに交換するため、分解して各部洗浄します。
フレームエンドの厚みに合わせて、ハブシャフトを加工するため削りしろを測ります。
モールトンのAMシリーズはこの確認をしておかないと、走行中ホイールがズレてしまう事もあるので危険です。
簡単な対処として、足らない厚みにはワッシャーを入れて対処するというものがありますが、一般的なワッシャーにはズレ防止のローレット(ギザギザ)加工がないので根本的な解決にはなっていません。
前後ハブのシャフトを加工します。
ボトムブラケットのベアリングには "セラミックスピード社" のベアリングを使います。
1984年から2010年前後ぐらいまでモールトンは、ボトムブラケットのハンガー幅が狭いことも多いので、スペーサーを入れて基準値に近づけます。
スペーサーを入れる場合は右側(チェーンリング側)と反対の左側のどちらにも入れることはできますが、この少しの厚みでもチェーンラインが変わってくるため、フロント変速機の作動を考慮しながら右に入れるのか左に入れのるかを決定します。
リアディレイラーにも"セラミックスミード社"のビッグプーリーkitを使います。
ハブ、BB、プーリーとベアリングに関わる全ての部品をパワーアップ。
プーリーに関しては大径化を図られているので、ペダリングがスムーズになりスピードアップも期待できますね。
モールトンで軽快な走りを思う存分楽しみたいという気持ちが伝わってきます。
フロントチェーンリング62Tのチェーンの長さと極小9Tから始まるリアスプロケットが上手く噛み合わず滅多にない組み合わせがゆえに説明書通りにセッティングしても上手く作動しません。
取り付けては外してと何度もセッティングを繰り返しました。一筋縄ではいきませんね。
フロントチェーンリングもすんなり取り付けられなかったのでチェーンリングのボルト穴を少し加工します。
ここですんなり取り付けできなかったのは、そもそもアウターのチェーンリングをインナーに使用しているからなのですが、本来の使用方法と異なるため、厚みや溝など色々加工する形となりました。
少しづつ慎重に加工します。
これは想定外でした。
ウイッシュボーンステムのコラム外径が今回新調されたクリスキングのヘッドナット径と合わず挿入できなかったのでヘッドナットの内径を加工します。
モールトンは表面的に組み立てるだけでは完成しても気持ちよく走りません。
部品だけでなくフレームを含めた総合的な整備と調整が必要不可欠な繊細な自転車です。
ハンドメイドで作られているため個体差があるものですが、整備・調整の内容や技術でモールトンの印象が良くも悪くも変わってしまうため「純粋に乗っていて楽しい」と思っていただけるようにいつも最善を尽くして組み立てています。何事も本質が大切です。
Part.3へ続きます。