2023-10-23

ジムニー・シエラ 〜ヒッチサイクルキャリア選びから取り付けまで〜(SOREXヒッチメンバー&THULEキャリア)

ジムニー・シエラにヒッチサイクルキャリアを取り付けました。
今回はサイクルキャリアとそのサイクルキャリアを取り付けるヒッチメンバー、そして取り付けまでをご紹介します。


色々な種類のヒッチメンバーがありますが、唯一岡山県にあるSOREXという会社から1993年製のジムニー・シエラに合わせたヒッチメンバーが受注生産で販売されていました。
専用に作られているので加工無しのボルトオンで取り付けることが出来ます。

また、ヒッチメンバー用のサイクルキャリアも色々と販売されていますが、今回選んだのはTHULE製サイクルキャリアです。
追加の部品と加工が必要なキャリアでした。
加工が必要になると分かった上で購入したのですが、選んだポイントが幾つかあったのでこれに決めました。その理由は最後に書くとして、それぞれの加工内容はこんな感じです。

岡山県で製造されているSOREXのヒッチメンバー。
受注生産品ですが、注文してから3週間〜1ヶ月ぐらいで届きました。

<その1>
付属品のヒッチボールを変更。

左:SOREX付属品
右:社外品(GlobalTight 50mmスタビライザー対応ヒッチボール)

SOREX付属品のヒッチボール:高さ約60〜70mmボール外径φ50.8mm(2インチ)
THULEに必要なヒッチボール:高さハイライズ仕様(約100mm)、ボール外径φ50mm

SOREXのヒッチメンバーにTHULEのサイクルキャリアを取り付けるには、SOREXに付属されているヒッチボールでは高さが足らないので、まずは高さのあるハイライズ仕様のヒッチボールを探します。

それに加えて、ヒッチボールの一般的な規格は二種類あって、φ50.8mm(2インチ)とφ50mmがありますが、THULEのサイクルキャリアはφ50mm。

ハイライズ仕様でヒッチボール外径がφ50mm、このふたつを兼ね備えていたのが、GlobalTightの50mmスタビライザー対応ヒッチボールでした。
SOREXにもハイライズ仕様のヒッチボールが販売されていますが、外径がφ50.8mmと異なるため使えません。

<その2>
ヒッチボールマウントの穴を拡大。

SOREXに付属されているヒッチボールマウントの差し込み外径がφ19mmなので、交換したGlobalTightのφ25mmへ拡大しました。

左:SOREX 差し込み外径φ19mm 
右:GlobalTight 差し込み外径φ25mm


この加工は外注でお願いしましたが、重量が掛かる部分なのでガタなくピッタリで製作してもらいました。

<その3>
サイクルキャリアの取り付けにあたって配線を加工。

このTHULEのサイクルキャリアには、ブレーキランプや方向指示器などが装備されているので、キャリアを取り付けると同時にジムニー本体の配線に割り込ませて、サイクルキャリアのブレーキライト等も点灯(連動)させるように配線作業を行う必要があります。この時にヒッチメンバーに付属している中継コネクターを使うと簡単で手っ取り早いのですが、接触不良を起こす可能性があるので使いません。
自動車整備士時代に中継コネクターを使っていた車が接触不良を起こしていたのを度々見ていたので、この方法はあまり好きではありません。

キャリアの配線を割り込ませる時は、配線をハンダ付けして収縮チューブで処理をします。

次にヒッチ用の配線カプラーの規格ですが、「7ピン」と「13ピン」の2種類あって、SOREXのヒッチメンバーは、JIS(USA)規格の7ピンを採用していました。

SOREXの7ピン(赤の矢印)に対してTHULEのキャリア側はEU規格の13ピン。
このままでは配線を繋げることができないので、7ピンを13ピンに変換するアダプターを買いました。

左)このようなアダプターが市販されています。
右)アダプターを取り付けたところ。

最初はこのアダプターを使っていましたが、大きくて使いづらい上に、取り付けた際の配線のまとまりも収まりづらくて、どうもしっくりこなかったので、

写真のような感じで7ピンソケットの同じ場所に直接13ピンのソケットを取り付ることができれば、あの銀色のアダプターを使わずにとてもシンプルになるのになぁと思ったので、

7ピンソケットが付いていた場所に、新たに穴を開けて直接固定できないかと穴位置を確認してみたら、画像右の青の印のところが新たに開ける穴位置になったので、これだと余白が殆どないしなんかイマイチだなと思ったので、

そこで考えたのがサンドイッチブラケット!
早速試しに木で製作してみました。

木で製作したブラケットを整えて黒に塗ってみました。

サンドイッチブラケットを介して13ピンソケットが綺麗に付きました。
これで7ピンから13ピンに変換する銀色のアダプターを介さずに、サイクルキャリアから出ている配線ソケットを直接クルマに取り付けることができて、見た目も使い勝手もシンプルになりました。

出来てしまえばあっさりなのですが、7ピンソケットが付いていた箇所に、どうにか13ピンソケットを取り付けたかったので、結構向き合いました。
木材は失敗しても作り直しやすくて加工もしやすいので、試作するにはとても便利です。

この木材のブラケットで問題が出なければ、外注でアルミを削り出して製作してもらおうと思っています。

これでようやくサイクルキャリアの取り付けが完了しました。
自転車ホイールの間から小さく点灯しているのがジムニーのスモールランプで、手前で大きく点灯しているのがサイクルキャリアのスモールランプです。
自転車もしっかりと安定して載せられています。

最後に、背面用のヒッチサイクルキャリアの中からTHULE製サイクルキャリアを選んだ理由はこんな感じです。

#1.ヒッチメンバー式であること。

#2 .テールライトが装備されていること。

#3..折り畳めること。

それぞれ説明すると、

#1.ヒッチメンバー式であること。

ジムニーに対応した背面に自転車を載せるサイクルキャリアには大きく分けて3つあるのですが、今回購入した「ヒッチメンバー式のプラットフォーム型サイクルラック」以外にも、「ヒッチメンバー式の吊り下げ型サイクルラック」と「スペアタイヤ固定式」があります。

スペアタイヤ固定式は、自転車のトップチューブをキャリアに引っ掛けて載せるタイプなので、手軽で背面キャリアの中では金額もお手頃です。
ヒッチメンバー式では、自転車のトップチューブをキャリアに引っ掛ける吊り下げ型と、キャリアの台に載せるプラットフォーム型があって、後者は作りもしっかりしているので金額も高価です。

スペアタイヤ固定式の方が載せる手間も少なくてコストも抑えられるのでまず最初に検討したのですが、モールトンはトップチューブが無いため、シートポストとハンドルステムを繋ぐ仮想のトップチューブアダプター(別売り)で対応する必要があります。
ただ、このトップチューブを引っ掛けるタイプで少し不安に思ったのは、走行中の大きな段差でシートポストが緩んでいたり、ハンドルステムがズレてきて抜けてしまうと最悪自転車が地面に落下する恐れがあるかもしれないという点です。モールトンはロードバイクのように軽くはないので、もしもの事を考えました。(殆どこのようなことは無いと思いますが)

散々悩んだ結果、ヒッチメンバー式で自転車をキャリアに載せるプラットフォーム型から選ぶことにしました。

そこでプラットフォーム型のサイクルキャリアをラインナップしている数社の中から、自転車を固定する際に自転車のマッドガードが干渉しなさそうな構造をしていたTHULEが第一候補に挙がりました。

#2.テールライトが備わっていること。

クルマの背面キャリアに自転車を載せると、クルマのテールランプが後続車から見え難くなる事があります。
私は約30年前に突発性の難病で左目の視力を失いましたが、特に夜や雨の運転はとても神経を使います。
トンネルで時々ヘッドライトが付いていないクルマとすれ違いますが、こちらがヘッドライトを付けていても怖く感じますし、車間距離も前方に走っているクルマのテールライトで確認していますが、点灯されていないと距離感がとても取りづらいです。
トンネル内を走行している自転車も同じで、あまり明るくないテールランプは認識しずらく距離も掴みにくいのでとても危なく感じます。なのでいつも通勤で使っているモールトンには前後ともに明るいライトを付けていますし、通勤に限らず、輪行時やサイクリングなど前後ライトは常に携帯しています。私みたいな方もおられると思うので、サイクルキャリアのテールライトは必須でした。

調べ尽くした結果、テールライトが付いていて、
#1でも候補に挙がっていたTHULEの中から選ぶことにしました。

#3折り畳めること。

THULEには折りたたみ式のサイクルキャリアがラインナップされています。
折り畳み出来ないサイクルキャリアは各メーカーから販売されていますが、キャリア単体でみると結構な大きさになります。
クルマにサイクルキャリアを常時付けたままにする事は無いと考えると、取り外したキャリアの置き場所を考えなくてはなりません。
折り畳みが出来ると、使わない時の置き場所をそこまで考えなくても良いですし、サイクリングへ行った際にも、自転車を下ろし終わった後にキャリアを折り畳んで車内に入れておくこともできるのでイタズラなどの心配もなく安心です。

最後は金額の面です。ここが一番悩んだところです。そこそこ大きな決断でした。
散々調べましたが、クルマでしか行けないような地域にもモールトンで走ってみたいですし、もっと山の中へも入っていきたいと思って、この夏に30年間乗り継いできた英国車からジムニーに乗り換えたので、サイクルキャリアは必需品でした。
使いながら徐々にステップアップしていくという考えもなかったので即決断してもよかったのですが、最後のところで数日考えました。
これしかない!という考えを数日寝かせてもう一度考えた時に、自転車を載せる方法、テールライトの有無、折りたたみ式、という三つの要素は私たちのスタイルには必要だという結論に落ち着いたので思い切ってTHULEを購入しました。キャリアひとつで大袈裟な感じですが、買い換える予定のないアイテムだったのでしっかり検討しました。

早速、このスタイルで奈良県十津川村まで470km走行したのですが、悩みに悩んで選んだアイテムだけに安心して楽しむことが出来ました。
輪行に加えて、ここからまたモールトンの遊び方がどんどんどんどん膨らんでいっています。
これまでの2+4Style(2輪と4輪)とはまた違った感覚で楽しめているので、もう楽しみしかないですね。