2022-12-19

Moku2+4 Original AM-18 (Steel Grey)

 

生産が終了した廃番モデルのAM-18 Used(美品)のフレームをベースにMoku2+4 オリジナルで新品のパーツで組み立てました。
価格はお問い合わせください。(ペダルは含まれておりません) 
Sold out

17inchシリーズでハイドロラスティック・スプリング(左)を採用されたのは、AM-18が最初のモデルです。

17inchシリーズで、リアフォークピボットに従来のメタルブッシュではなく、
ラバー製フレクシタースプリングを備えたのは現行モデルを含めてAM-18のみです。

メリットは、リアサスペンションが"しなやか"でありながら、リアフォークのガタが発生しないところ。
現行モデル全般に採用されているメタルブッシュは、走行距離が伸びてくるとベアリングも磨耗してくるので、ガタが発生してしまいます。

デメリットは、装着できるクランクセットが限定されてしまうところ。
ピボット幅が広いため、クランクに干渉してしまうためです。
また、リアフォークピボットがラバースプリングのため、現行モデル全般に採用されているメタルブッシュと比べると横剛性が劣ってしまうところです。
この横剛性は、スポーティーにガシガシ楽しみたい方には気になる部分かもしれませんが、ゆったりと楽しまれる方なら殆ど気にならないと思います。

フレーム部材にレイノルズ社(イギリス)から日本製のカイセイチューブが初めて採用されたのもこのAM-18が最初で、現行のAMシリーズにも継続されています。
AM-7からAM-16までのチューブ径 1/2"=12.7mm、3/8" =9.6mm、1/4"=6.3mm
AM-18のチューブ径          13mm、10mm、6mm


クランクセット周りは、シルバーで統一してクラシカルさを出しました。
クランク:日本のブランド スギノ(Sugino)。
チェーンリング:フランス製のTA。
フロントディレイラー:microshift(マイクロシフト)。

左)リアディレラーは、フロントディレイラーと同様のmicroshift。
右)前後ハブは、シマノ105。

シフトレバーは、モールトン純正のシフトマウントにENE CICLOのWレバーを使って、
ツーリング仕様のような雰囲気に。

左)リムはモールトン純正のポリッシュリム。
右)ブルジストンのモールトン専用タイヤ。

マットガードは、Moku2+4 オリジナルのブラック。
塗装の関係で製造できない状況が続いていましたが、このほど15年振りに復活。
ポリッシュと同じアルミ製です。
ここはあえて、ブラックのマッドガードにしてフレームと一体感を持たせて、
メカニカルな駆動系のシルバーパーツを引き立たせました。

別売のマッドフラップも付けてみました。
小さいアイテムですが、より優しい雰囲気が出ます。
見た目だけでなく、やはり付けると泥の跳ね方も違います。

左)ステムは日東製のスレッド仕様。
右)ブレーキケーブルは、ビンテージ柄のホワイト色を取り入れて柔らかい雰囲気に。
ハンドルの上からワイヤーが伸びるスタイルは、よりクラシカルなルックスになりますね。

左)ブレーキキャリパーは、Dia-compのポリッシュ。
右)バーエンドキャップもクラシカルなポリッシュを選びました。

左)グリップは、握り心地や優しく疲れにくい極太スポンジ。
右)ブレーキレバーはセフティーレバーと一体型のものを選びました。

ブラケットの色を標準の茶色から飴色に変えています。
ブレーキケーブルのホワイトとも相まって、ナチュラルな雰囲気に。
極太スポンジにこのブレーキレバーの組み合わせは、ちょっとしたシティライドから、旅のようなゆったり走るサイクリングにもぴったりです。

個人的にはAM-GTにも、AM-Jubileeにもこのブレーキレバーと極太グリップを装着していますが、主にセイフティレバーを使っています。ハンドルの上からフラットハンドルのように操作することもできますし、ブラケットまで手をもっていがずとも、その手前で親指をハンドルに添えて、中指、薬指、小指の指3本で下からセイフティレバーを操作することもできます。通勤での街乗りの時は、この指3本で下からブレーキレバーを操作することがほとんどです。ハンドリングも安定しますし、アップライトポジションが取れるので左右確認のしやすさもポイントです。
メインのブレーキレバーは、前傾を取りたい時、また下ハンドルを使う時に活躍してくれます。

とにかく握り方のバリエーションが多いのがこの一体型ブレーキレバーの特徴です。

サドルは BROOKS B-17 aged。
ブレーキレバーブラケットの飴色と合わせました。


                <ここから作業編>
まずはフレームアライメントを点検し、修正します。

次に、左右リアエンドの位置を点検。
ここも修正します。

そしてフロントフォークのアライメントも点検して、修正します。

スタラップ(サブフォーク)もアライメント点検し、修正します。


スタラップの左右エンド位置を点検、修正します。

リアハブの左軸が、フレームエンドの厚みよりも出っ張っているため、そのままではクイックシャフトの固定力が弱くなるか、もしくは固定されません。
そのままでは、危険なため加工します。

ハブの左軸を取り外して、旋盤で削ります。

削った面をそのままにしておくと錆てしまうため、錆止めを塗布しておきます。

錆止め塗布後。

その後、フロントサスペンションも古いグリスを洗い落として、グリスアップし、オーバーホールしています。パーツは全て新品です。

このAM-18というモデルは、フレームのパイプが後継モデルのAM-22などと比べると太いパイプが採用されていて、全体的に優しい感じのぽってりとしたルックスが特徴です。
リアのサスペンションも、AM-GTやAM-Double Pylonなど上位機種にのみ搭載されている「ハイドロラスティック・スプリング」が採用されています。
リアフォークピボットのラバースプリングに、ハイドロラスティック・スプリングという組み合わせは、17inchシリーズでは、後にも先にもこのAM-18だけです。

好みが分かれるモデルだと思いますが、このAM-18の特徴をしっかりと味わえるように、それらを生かしたパーツをセレクトしているので、しなやかで優しい乗り味がお好きな方には楽しんでいただけると思います。