2021-01-10

Moku2+4 オリジナル Moulton SST - Silver

Moku2+4 オリジナルで組み上げたMoulton SST。

今回のコンセプトはクラシカル・スポーティーです。
フレームのシルバー色をスポーティーに演出するため、
さりげなくブラックパーツのシマノ105 コンポーネントを取り入れ、
サドルとバーテープは、レッドとロイヤルブルーでブリティッシュ・クラシカルな
雰囲気にしました。

このカラーは、AMシリーズと同じファクトリーで塗装されています。
(通常のSST 塗装は、パシュレイのファクトリーで塗られています)

今回、迷いに迷ったサドルとレザーバーテープ。
左) Selle Italia Mitica レザーサドル/レッド(Made in Italy)
右)Brooks レザーバーテープ/ロイヤルブルー

ハンドルとステムは、Made in JapanのNITTO製。
ハンドルもリーチが短めのもの、ステムも短めのものを選んでいるので、
ドロップハンドル初心者の方でも安心して楽しんでいただけるようなパーツを選びました。

クランクセットは、TSR純正の"Sturmey Archer"(スターメー アーチャー)製クランクアームに"Stronglight"(ストロングライト/Made in France)のチェーリングをセット。
真っ黒のクランクセットも候補にありましたが、
見た目に少し軽さを出したかったのと、
スポーティー過ぎないクラシカルな雰囲気をここでも出したかったので、
シルバーとブラックのツートーンにしました。

ペダルは、取外し可能な"ミカシマ"製 MT-E Ezyペダル(Made in Japan)。
クランクアームと同色のシルバーにしました。

リアディレイラー、フロントディレイラー、ブレーキキャリパーはブラックをチョイス。

ーーーここからは組み立て編です。ーーー

このような状態で英国より届きますが、もう一度全て分解します。


AMシリーズと同じリベット止めのヘッドバッジ。

左)リアエンドはステンレス製、
右)スタラップのハイトアジャスターネジ山部分もステンレス製

フレーム各部の細かい仕上げを確認していくと、
どうもこのSSTは英国パシュレイ社のファクトリーではなく、
AMシリーズのファクトリーで殆どが製作されているのではないかと思われます。
例えば、リアエンドのポリッシュの仕上げ方がAMシリーズと同じで、
細かくいうとバフの掛け方がAMとSSTとは違うのですが、
AMと同じバフ仕上げになっていたりと、あとは細かすぎるので割愛しますが、
今、もう一台のSSTをMokuオリジナルで組んでいますが、
従来のSSTと所々違うので、おそらくAMシリーズのXTBがベースなのではないかと...。
そうするとこのSSTはとてもお買い得だ!ということになります。
今回このSST Silver(Bradford-on-Avon Special color)は、
デットストックパーツなどを使って金額を抑えたので
本来ならこんな金額では販売できない感じでして、
なので今後もこの値段で販売できるかというと難しいと思われます...。

ボトムブラケットハンガーのタッピングとフェースカット。

リアフォークを分解し、リアサスペンション支点部のピボットスピンドルを旋盤加工。

左)ピボットスピンドルを旋盤加工する前はフレーム幅には収まっていません。
基本的に英国からは、無理にピボットスピンドルを収めてきたフレームが届くので、
ここは注意することろです。
放置したままだとフレームにガタが発生し、擦れる音が出てきたり、
フレームにも良くない影響が出てきます。
右)加工後はフレーム幅に収まりました。
削りすぎないように注意を払いながら、確認を何度か繰り返します。

スピンドルの加工ができたら、
次はリアフォークの動きをガタつかずスムーズに可動させるためのシム調整を
1/100〜1/10単位でします。

リアフォークを組み付け、フレームアライメントの点検をします。

リアエンドのズレを点検・修正します。

本来フロントフォークは、組み立てられた状態で届きますが、
英国から届くサスペンションの動きが全てにおいて良くないので、
再度分解して全て洗浄します。
洗浄する理由は、各部パーツの"バリ"を取り除いたり、
サスペンションの動きに支障の出る干渉している箇所を加工する必要があるので
とにかく全部洗います。
フォークのアライメント(芯出し)以外にも重要で細かな作業が沢山あります。
サスペンション機構はモールトン・バイシクルの要なのでこの作業は必須です。

メインフォークの修正です。

フォークエンドの点検。

スタラップ(サブフォーク)のアライメント修正です。
左)修正前、右)修正後

エンド位置がズレている場合は削って修正します。
約1mm弱ズレていますが、ホイールを取り付けると、
目視で確認できるくらい片方に傾きます。
左)修正前、右)修正後

サスペンションの動き滑らかにするためには、フォークのアライメント修正やその他諸々ありますが、サスペンションピストンの旋盤加工もスムーズに動かすための方法です。

サスペンションのリーディングリンクのプレートも少し削ります。
英国より届いた時のこの部分は、フロントフォークエンドに干渉している、
もしくは干渉しそうなことが殆どです。

この他にも、さまざまな細かい作業をしながら組み立てていきます。