2019-03-30

Moulton APBのスタラップ (Stirrup)修理。

毎日通勤で使っている私用のMoulton APB スタラップ(サブフォーク)の修理。
ハイトアジャスター調整ボルトが外れています。(折れている)
APBやTSRで時々このような事があります。
元々の取り付け方法がちょっとイマイチなんですね。


こんな時はフロント周りがガタガタ、グラグラしてきます。
走行中に気が付いたとしても、上から重力が掛かっているので
スタラップが外れてサスペンションがバラバラになってしまう
という事は無いと思うのですが、
気が付いたら早めに対処した方がいいですね。
ちなみにAPBとTSRはサブフォークの長さが違いますが、
TSRであればサブフォークごと交換するという選択肢もあります。

ロウ付け修理をするために、サンドブラストで錆びを落として表面を綺麗にします。

 ロウ付けする箇所が綺麗になりました。

折れたアジャスターを修理するだけなら、
元の穴に差し込んでロウ付けすればOKですが、
それではフォークの中心がズレてしまいます。
中心がズレないように治具に固定するのですが、ただ単に固定するのではなく、
フォークオフセットなどの寸法も意識しなければなりません。
このちょっとしたところにも手間が掛かるんですが、
私用のモールトンなんで、この少しの手間が億劫で仕方がないです。


画像の工具は全てフォークエンドを固定する治具です。

モールトン用に市販の物をカスタマイズしたり、新たにいろいろ作りました。

ニューシリーズやパイロン用の70mm幅、
17インチ等の100mm幅、
フォークエンドのオイルレスブッシュ穴用、
リアエンド幅130mmで4mm厚用&135mmの4mm厚など。

モールトンを組み立てたりカスタマイズするにあたり、いろんな治具を作ってきたので、オリジナル工具製作もそろそろ終わりかなと思っていましたが、
今年に入ってまた新たな工具を製作することになりました。
もう金銭的には増やしたくないですが、まだ増えていくかもしれません…

 ハイトアジャスター調整ボルトをロウ付けします。
また折れてしまわないように、しっかり取り付けます。 

画像上:スタラップ表側
画像下:スタラップ裏側
千枚通しで指している金色の部分が、上からロウが流れてきた証です。
このようにロウが回っていると強度が高くなります。


今回は塗装をし直すのではなく、
剥がした部分のみプラサフ(下塗り・防錆)を塗って、
同色タッチアップで仕上げました。

本当はスタラップ全体の塗装を剥離して塗装するのが綺麗だと思いますが、
ちょうどフロントパニアバッグで隠れるので、
仕上がりの綺麗さより時間を優先してこの仕上げにしました。
気にならないといえば嘘ですが、傷んだところだけを修理する事が多い
イギリス的な感じで良いんじゃないかと思ったりしています。
よく見るとタッチアップの感じが分かりますが、
遠目だと分からないかな?