2019-09-27

Gravel Moultonを作ってみました。

新たなモールトンの楽しみ方として
「Gravel Moulton -グラベル モールトン-」を自分用に組んでみました。
ベース車両は本国に特注したVブレーキ仕様のモールトンTSRです。

フロントパニアバックは本当に超が付くほど便利です。
通勤用に NS-ダブルパイロン、AM-GT Mk1、AM-Jubilee(90y) を使っていますが、
このような旅スタイルは、TSRが合っているように思います。

TSRシリーズは20インチなのでタイヤの種類も豊富ですし、

モールトンの中で唯一、 Vブレーキの装着が可能だからです。

基本のコンポーネントは、グラベルロード用に設計された「Shimano GRX」。
リアのスプロケットは超ワイドな11-42T。
小径でこのギヤ比は軽すぎないか?と思われるかもしれませんが、

少し登りのあるダート(未舗装)だったら、
このぐらいのギヤ比があっても大丈夫だと思います。

 クランクセットもShimano GRX。
歯数はリアの最大スプロケットと同じ42Tなので、最も軽いギヤ比で 1:1になります。
フロントギアがシングルなのでギアチェンジもシンプルですし、
フロントギアのシフトチェンジが煩わしい、ギアポジションが分かりにくい
と感じていらっしゃる方にはもってこいのコンポーネントです。
チェーンリングの歯先も深く(高く)、チェーンが外れにくいデザインも○です。

のんびり走る感じだと、個人的にフロント42TでもOKですが、
48Tぐらいに交換するのも良いかなと思います。
ペダルは、毎日の通勤で使っているSpeedplayのシザーです。
とてもステップインがしやすいので気に入っています。

 ハンドルは、NITTOのグラベル用ハンドルです。
ロード用ドロップハンドルと比べると、ハンドル幅も全体的に広く、
下ハンドルが大きく開いているのが特徴ですが、これぐらい幅が広いと
下ハンドルを握りながらダートを走る時に安定感があって安心です。
フロントパニアをつけた場合も、ハンドルとBagが干渉しにくいという点もあります。

ブレーキ&シフトレバーは、Shimano ULTEGRA 11speedです。
このハンドルにブレーキレバーを取り付けると、レバーが内側に向きますが、
Shimano STI用に設計されているハンドルなので、
変速時に手首をあまり回さなくていいのでとても操作しやすいです。
ブレーキは、TRPのシクロクロス用のミニVブレーキです。
幾つかブレーキを試しましたが、
今のところこれがベターです。

タイヤは、シュワルベ マラソンレーサーの20×1.5。
1.5幅はとても安心感があるので

路肩の小さい段差や荒れた路面でも気を使わなくて良いですね。
幅を太くしたことによる路面抵抗も気にならないですし快適です。
ゆくゆくは、1.5幅のブロックパターンや1.7幅も試してみたいなと思っています。
走るシーンによってタイヤを変えることができたら、
よりTSRの面白さが広がると思います。
キャリパーブレーキでは出来ない楽しみ方ですね。

補足:キャリパーブレーキ仕様のTSRでも、
Vブレーキ仕様のリアフォークとサブフォークに変更すれば
太いタイヤを履くことが可能です。

サドルは、BROOKS B-17 Aged。
前後とも黒の英国製Caradice Bagを合わせているので、
色のトーンが落ちすぎないように
少し明るめのAgedサドルと
バーテープは変化球でマルーン(栗色)にしました。



モールトン・シリーズは大きく二つに分かれていて、TSRシリーズはモールトンの入門モデルです。
・NS & AMシリーズは、各モデルに特徴があり、タイヤ径、フレームデザインもそれぞれ異なり、「お城製モールトン」と呼ばれることもあります。
・TSRシリーズは、シェイクスピアの故郷で知られるStradford-upon-Avonにある英国パシュレイ社製のモールトンで、フレームデザインは全て同じです。(SSTは除きます)

まず、ダブルパイロンなどの上級モデル(NSシリーズ)はフレーム構造・機構ともに大きく異なるので除きますが、AMシリーズとTSRシリーズは、細かいディテールや製造過程、フレーム材料の違いはあれど、モールトンの真髄であるサスペンション機構は同じ部品を採用しているので、AMシリーズを簡素化したものがTSRと考えるのがシンプルです。
が、実はそうでもなくて、TSRにもまたAMシリーズに無い個性があります。

TSRの前身モデル「APB」は、構造・走行感もAMシリーズを簡素化したモデルというのが個人的なイメージなのですが、TSRはAPBより低重心かつフレーム剛性も上がっています。またリアフォークも上級モデルNSシリーズと同じ構造を採用しています。そのため、ペダルを踏んだ時の自転車用語で言う「かかり(反応)」が良いので、加速が早いんです。これはフレーム剛性とリアフォーク構造によるものです。サスペンションの動きもスムーズで心地良く感じますし、漕いだら漕いだ分、前に進む感じが純粋に楽しいです。

今回仕上げたグラベル・モールトンが自分にピタッとハマった感じがするので、これから主に通勤で使うことになると思いますが、日常的に使い、走ることでカスタマイズのアイデアももっと湧いてくると思います。
TSRだからこそ出来るカスタマイズを提案していけたらと思います。


脱着が簡単なTSR純正リアBagとラージキャリアのセットが
思いのほか便利で、特に飲食店に入る時はGood!です。

また輪行の際、TSR以外のシリーズはキャリアを外して輪行袋に納めますが、
このラージキャリアは取り外すことなく収納できます。
だからその他キャリアと違って細長〜いデザインになっているんです。

今回はTSRの良い点を上げていきましたが、
フラグシップモデルのニューシリーズ(NS)系、AMシリーズ系、TSRシリーズ系と
それぞれの特徴と楽しみ方があり、
どのモデルが劣っているとかは無いと思うので、
用途や好み、予算に合わせてモールトンを選んでいただければいいのかなと思います。

軽く試走しましたが、太めのタイヤにドロップハンドルがとても新鮮で楽しくて、
ダートの下りを見つけるとついつい下りたくなります。

このグラベル・モールトン
ゆっくりのんびり一人旅に出たくなる感じです。
仕事?気持ち?に余裕ができたら、カップラーメンとおにぎりでも持って
一人日帰りでどっか行きたいなぁ〜と思いました。

この気持ちの変化は自分にとっては驚きで、
今まで自転車で一人旅なんて考えもしなかったですし、
ましてやキャンプみたいな遊び方も面倒だし、
グランピングなら良いかな?という感じでした。
また新しいモールトンに出会えた感じで楽しいです。

また、次の機会でにも今回新たに加わったTSRを含めて、
所有している4台のモールトンの特徴や
使い分けでも書けたらなと思います。