2014-06-27

Alex Moulton AM-20 Mk1 (Royal Blue) 再組み立て&オーバーホール

他店で購入されたAM-20 Mk1の再組み立て&オーバーホールの依頼です
キャリパーブレーキが前後逆さまに付いていました。
ブレーキを取付けるボルトの長さだけを見て組まれたんだと思うのですが、前後逆の状態だとブレーキの効きがとても悪かったと思います。
納車前に試乗すれば直ぐに気づくとは思うのですが…。

ホイールなどパーツを取り外していきます。
ハブの内部まで洗浄します。

こんな感じで綺麗になりました。

ハブ軸長を旋盤で削ります。
Moultonはフレームエンドの厚みが薄いので、必ずと言っていいほどこの作業が入ります
効率を考えて楽をしようと思えば削らなくてもどうにかなるんでしょうけど…。

ホイールのオーバーホール出来上がり。

次はリアディレイラーなど変速系の分解です。

コンポーネントの洗浄完了。

次はフロントサスペンションのオーバーホールです。

分解してみると内部に鉄粉が入っていて、スプリングやピストンが削れていました。
これはステムをフォークコラムに差し込むと固かったので、フォークを分解せずにフォークコラムの内径を削り込んでステムを取り付けたのが原因だと思います。

フォークについては、英国から組み立てられた状態で納品されるので、手間を考えるとそのまま分解せずに組み立てたいと正直思うんですが、こういうことがあるので新車であっても分解しないといけないんですね。

新品のピストンを旋盤で削ったり、ボトムリンクを削ったりするのは、サスペンションの動きを最大限良くするための作業です。

フォークを組み立てたら、アライメントを点検。

フレームを分割するキングピンのアルミカバーですが、年月が経つとカバーの裏に、たいてい錆が出ている場合が多いですね。
錆を取り除いてクリアを吹いて組み立てます。


フレームがバラバラになりました。

ピボットボルトのネジ山を修正します。
ピボットボルトのネジ山が浅かったり、ネジ山の幅が短かったりする事があり、そのままだと、ナットが締まりきらず、リアフォークにガタ発生する原因になります。

フレームのリアエンドアライメントを確認。
ズレていたので少しだけ削りました。

やっとフレームの形になりました。

モールトン純正のショートリーチアダプターを取付けますが、フレームの個体差や塗装膜の厚さで、クリアランスが微妙に変わるので、0.数ミリのシムを入れて調整します。

ブレーキ取付ナットは、ショートリーチアダプターに付属されていますが、付属されているナットではネジ山の掛かりが浅いので少し長いものに交換します。

持ち込まれた時はフロントの変速がイマイチで、見るとどうも角度が悪いように思ったので、

角度の異なるスペーサーをいくつか試しましたが、どれもイマイチで…、
それだったらと、スペーサーの角度をフライス盤で削って変更してみたら、最初の状態より良くなりました。

納車時に愛知県からClassic Miniでご来店。
後部座席の足下に丁度良い感じに収まってますね。