2012-01-23

Moulton AM-Esprit Steel Grey 組み立て Part.3

AM-Espritの組み立てPart.3です。
フレームの下準備が終わったので、次にコンポーネントパーツを取り付けていきますが、ここから大事になってくるのが、乗る体勢(ポジション)です。見た目ばかりでパーツを選んでしまうと、ポジションも合いにくく、肩や首、腰、背中、手首などが疲れやすくなります。ポジションが合っていないと、どこかしらに負担が掛かってきて長く乗ってられないので面白くないですね。
サイズの合わない靴で長い時間歩いたり走ったりすると靴擦れができたり、足が痛くなったりするのと同じで、短い時間であれば痛みも疲れも気にならないかもしれませんが、ポジションの合った自転車に乗ると、疲れていないのに気づけばいつもより長い距離を走っていたりします。筋力が上がればポジションも変化していくので奥が深いです。


初めてドロップハンドルに乗られる場合、慣れてくれば体勢も変わってくるので、最初から体にフィットさせる事は難しいんですが、背丈などを測って基準値ぐらいに合わせときます。Mokuに初めて来られる8割ぐらいの方が、ドロップハンドル初めてです。
Mokuでは、ウィッシュボーンステム対応の幅の異なるドロップハンドルを3種類オリジナルで作っています。この中から合いそうな物を選びます。

時々、画像左のようなハンドル位置の自転車を見掛けますが、ここまでハンドルを回さないと(ブレーキレバーを上げないと)乗れないという事は、ポジションが合っていないという事なので、ドロップハンドルのメリットもあまり無いでしょうね。
体格を考えずにデザインやカラーなど見た目でパーツを選んでしまうと、パーツ単体では格好良くても自転車全体のバランスが崩れてしまっているので、せっかく選んだ格好良いパーツも残念ながら台無しになってしまいます。全体を通してバランスの良い自転車は乗りやすさにも繋がっています。

画像右のブレーキレバー位置が大体の基準で、好みによってブレーキレバーの位置を回しますが、それでも限度はありますね。

シートポストもポジションを考える上で大事なパーツです。
シートポストのセットバック(中心〜サドル取付け部の後退幅)も様々です。画像中3本のシートポストは、右から少しずつセットバックが大きくなっています。これも最初に見た目や軽さで選んでしまいがちですが、まず自分に合ったサイズの中から選ぶのが良いと思います。
ロードバイクなどは、事前に好みのパーツを選んでいたとしても、フレームのサイズにいくつか種類があるので、ある程度は調整しやすいですが、Moultonのフレームサイズ(トップチューブ長)は1種類しかないので、ハンドルやステム、サドルやシートポストの選択が大切になります。見た目だけでパーツを選んでしまうと、乗り心地の良いMoultonを組み上げるのは難しいですね。

これで完成です。こちらのオーナーは中学生の時に雑誌で見たステンレスのMoultonを見て興味を持たれたんですが、その時は非現実的な金額に手に入れることなど考えられなかったそうですが、ふと今の自分であれば憧れのMoultonを手に入れることが出来るかもしれないと思いに至って購入されたそうです。ずっと気持ちを暖めてこられたんですね。