このNew Seriesは、新車時から1年半で約3万km走行後にオーバーホールして、そこからさらに3万km走行されて積算距離が6万kmになったところで、リムが摩耗により割れてしまったのでフルオーバーホールします。このオーナーは雨の日も雪の日も毎日通勤で60km程走られていますが、通勤途中のパンクや思わぬタイヤの破損も考えて、前後のスペアホイールを担ぎながら乗られています。2セットのホイールを交互に使う事でリムの割れるタイミングは延びていますが、通常であればもっと早くにリムの交換になっていたでしょう。ご自身でタイヤ、ブレーキシュー、インナーケーブルは交換されていますが、さすがにここまでオーバーホールの時期を延ばしてしまうと金額も時間もかかってしまいますね。だいたい5,000km〜8,000kmぐらいまでには一度オーバーホールはした方が望ましいです。中には、走り方によって3,000kmでもグリスが結構汚れている場合もあります。このTSRは3,000kmで結構汚れていました。
|
クランクもご覧の通り、汚れの『膜』ができていました。一度目のオーバーホールもこんな状態で、リアディレイラーもこの通り、汚れがごっそり付いています。
BB周りは見るのも恐ろしいですね。フレームの色が隠れるくらいの汚れです。スイングアーム辺りは、土が固まって出来たのか、泥が固まって出来たのか、よくわからない白っぽい汚れが見えます。
リアハブとカセットもご覧の通り。黒のスポークだったっけ?と思うぐらいステンレススポークが真っ黒になってました。フロントハブもAMの文字が汚れで隠れています。
リムは交換です。割れていました。この走行距離だと当前ですが、よくここまで保ったなと感心してしまいました。
洗浄台でフレームのこびり付いた汚れを一つ一つ丁寧に洗浄していきます。こうやってパーツを洗浄しているときにふと思うのが、ミニのメカニックをしていたので、自動車のオーバーホールや作業する前に、洗浄台を使って洗油で部品を洗うことは普通のことで、作業場に洗浄台があるのが当たり前だと思っていたのですが、自転車屋さんではほとんど見かけないし、どうやってガンコに汚れた自転車をオーバーホールしているのだろう…とよく思います。パーツクリーナーだけでは限界があると思うので…。
|
フレーム分割部分のキングピンも固着していたのでペーパーで磨きます。フレームのトラスの隙間はこうしないと綺麗に磨けません。このような磨きの作業も結構時間がかかりますが、一つ一つ丁寧に行います。コンポーネント一式のオーバーホールと合わせると、まだまだ作業は続きますが、ひとまずこの辺で記事を一旦区切ります。次はフレームのオーバーホールを載せますね。
Part.2はこちら>>>
Part.2はこちら>>>