2026-07-19

Dynavector DV-1 スペシャルカスタマイズ Part.1

ダイナベクター DV-1のスペシャルカスタマイズのご紹介です。

本来はDV-1にマッドガードやラージキャリアを取り付けることはできませんが、通勤に使われているとのことで積載量を上げるための加工をしていきます。

取り付けるラージキャリアは、モールトン純正の初期型ニューシリーズのものを選びました。
初期型ニューシリーズやパイロン、AM GT Mk1等のラージキャリアは、水平で装着する現行モデルと違って、斜めに角度をつけて装着しますが、同じ時期に発売されていたモールトンでもモデルによって角度が異なるためそれぞれ計っていきます。

初期型ダブルパイロンのラージキャリアも計ります。

それぞれ測った角度を元に、DV-1に取り付けても雰囲気が崩れないような角度をイメージしていきます。DV-1に付属しているDayキャリアをそのまま使う方法をとりたかったので、DV-1 Dayキャリアをベースに初期型ニューシリーズと同じ取付方法を選びました。

DV-1のDayキャリアに固定用のダボをロウ付けするため、無垢棒から削り出します。

ダボを削り出した後は、Dayキャリアのどの位置に付けるかを検討します。

取り付け位置がイメージできれば、正確に位置を決めます。

製作したダボをDayキャリアに仮付けします。

ラージキャリアをDayキャリアに仮付けしてキャリアの角度が確認できたら、タボを本付けします。

さて、ここからが頭を悩ました部分です。
既存のDV-1 Dayキャリアにダボを追加しただけではニューシリーズの純正ラージキャリアは装着できません。

なぜかというと、ニューシリーズ用ラージキャリアステーのボルト穴(⭕️で囲った部分)と追加したDV-1用 Dayキャリアのダボ穴(の部分)を共締めした場合、ラージキャリアの傾斜角がものすごくついてしまうので、見た目にも機能面としても採用するのは難しい。

加えて、ニューシリーズやダブルパイロンと同じ取付角度にしたい場合、ラージキャリアとDayキャリアの位置関係が画像の位置になるのが望ましいのですが、現状では⭕️で囲ったボルト穴位置から追加したダボ穴までの距離がどうしても出てしまいます。 

それを回避するためには、⭕️で囲った純正のキャリアステーを切り飛ばして、長さを伸ばした新設のキャリアステーをロウ付けする。というのが一番簡単な方法なのですが、モールトンは丸パイプの集合体フレームなので、純正のような短いキャリアステーなら丸パイプでない平板でも気にならないと思いますが、そこそこ長さのある平板になってしまうと目立ちますし、全体の雰囲気も崩れてしまいます。それなら同じ径の丸パイプをロウ付けすれば平板よりは違和感を抑えられるのでは?と考えつくのですが...、ここで終わらずにもう一歩考えを進めていきます。

こちらのお客さまは、普段からニューシリーズやダブルパイロン、その他のモールトンを通勤や日常で使われていまして、ニューシリーズ純正のラージキャリアを加工せずに取り付けることが出来たら、万が一の時にお手持ちのニューリーズにも使うことが出来るので、これがベストな策だろうなと、どうにか加工せずに取り付けられる方法はないかと考えを巡らせた結果、良いアイデアが浮かんだので⭕️で囲ったニューシリーズ純正のキャリアステーは切り飛ばさないことにしました。

ニューシリーズのラージキャリアを加工しない場合はステーを考えなければなりません。
平板では雰囲気がないのでどんな方法にしようかと考えて、まず画像のようなネジを加工してみることにしました。
DV-1のフロントスプリングを固定する一部にも、これに少し似た形状の物が使われているので、これなら全体のデザインも損ねないだろうと思って寄せにいきました。

という事で加工してみます。

画像「の部分にもう片方を差し込むイメージです。

この二つを画像「の部分にロウを流して繋ぎ合わせます。


実際に仮付けしてみたら...
イメージと違ってスマートでなかったので、もう一つの方法を試してみます。

ラージキャリアと同じ径のニッケルクロモリのパイプの両端を潰して穴を開けます。
潰した箇所の強度が柔らかったので、隙間にロウを流し込みます。

このパイプの端を潰して穴を開ける方法は、AM-7からAM-20ぐらいまでと、APBのラージキャリアのステーで使われていた方法です。

やはりモールトンはパイプの集合体なので、パイプを加工するこの方法にしました。


旧型ニューシリーズは本国に塗装無しで注文し、DV-1のDayキャリアはダボを付けるため塗装を剥がしていたので、フレームと同色に塗装をします。

塗装後
キャリアが完成しました。

次に、モスキートハンドルのカスタマイズに入ります。
カンパニョーロのシフトレバーとモールトン純正シフトマウント。

モールトン純正シフトマウントはShimano規格に合わせて設計されているため、Campagnoloのシフトレバーを取り付けるとインナーケーブルの角度がキツくなり抵抗が出てしまいます。そのため純正シフトマウントの一部を切断しロウ付けし直します。

⭕️の部分をロウ付し直しました。

左)加工前、右)加工後

左)加工前、右)加工後

DV-1は本来、マッドガードを取り付ける設定ではないのですが、お客さまのご希望により
取り付けできるようにサブフォークを加工します。
余っていた部材があったので、その一部を使うことにしました。

左)加工前のダボなし、右)ダボを銀ロウ付け後

この他にもいろいろとカスタマイズされていますが、今回は一般的でない特徴的な内容の作業をご紹介しました。
Part.2では完成した全体のDV-1をご紹介しています。