2025-11-29

Moku2+4 オリジナル " New Series Marathon - Kaisei"


店頭で販売中のAM-New Series Marathonの完成車について、時々
「ドロップハンドルの完成車をモスキートバー仕様にカスタマイズすることは出来ますか?」とお問い合わせ頂くので、
コンポーネントを完成車のカンパニョーロ12速のまま
モスキートバーにカスタマイズして販売することにしました。

カンパニョーロ12速の構造上、
モスキートバーでは変速レバーが取り付けできないため
本来なら不可となるカスタマイズですが、
過去に何度かお客様からご依頼があり、ワンオフでパーツを製作しているため
この組み合わせでも楽しめるようになりました。

ですが、シンプルにハンドル周りを交換するという作業内容ではないため、
純正のドロップハンドルを後からモスキートバーにカスタマイズするとなると
金額もそれなりに掛かってしまうため、
実際に使用したパーツ代のみの追加で仕上げています。

別途でドロップバーからモスキートバーに変更する費用より
随分お得な価格となっていますので
ご興味のある方はぜひこの機会にご検討いただければと思います。

価格はお問い合わせください。

まずはモデルのご紹介から
AM-New Series Marathonのリアサスサスペンションは
 "ハイドロラスティック スプリング"
が搭載されています。
モールトンのフラッグシップモデルに採用されているサスペンションです。

フロントサスサスペンションは
20インチの「New Series」シリーズとややこしいシリーズになりますが、
AM-Double Pylon、AM-Single Pylon、AM-New Series Marathson
にのみ採用されている
"フレクシタースプリング"
が搭載されています。

モールトン純正ウイッシュボーンステム

このステムは簡単に角度が調整でき、
上体を起こした姿勢で乗ることも
ステムの角度を倒して前傾姿勢で乗ることでき快適です。

Moku2+4 オリジナルのモスキートハンドル

ウィッシュボーンステムとモスキートハンドルを組み合わせることによって
フラットハンドルよりもさらに上体が起こせるので
走行中の視界も広がって楽な姿勢で乗ることができます。

モスキートハンドルは、モールトン博士が好んで使われていたハンドルなので
モールトンの雰囲気をさらに引き立たせてくれるアイテムです。

カンパニョーロ12速のコンポーネントとモスキートハンドルは、
シフトレバーの構造上、本来は取付不可ですが、
ワンオフでバーエンドシフト用のマウントを製作しているため操作が可能です。

コンポーネントがカンパニョーロ12速でまとまっているので
ブレーキレバーも絶版品のカンパニョーロ TT用(カーボン製)を合わせました。

モールトン社の完成車で組み込まれていたカンパニョーロ12速 Record

モールトン純正リム

モールトン純正の前後ハブ


モールトン純正 チタンスプロケット(10-30T)


BROOKS B-17 チタンレール レザーサドル。

組み上がった後は必ず試乗しますが、想像通り鉄製は乗りやすいです。
モールトンといえば見た目の美しさと憧れの対象となるステンレス製モデルが
注目されがちではありますが、
個人的に5台所有している内の2台はステンレス製モデルですが、
乗り味だけでいえば鉄製のモデルの方が個人的には好みです。
それは、ステンレス製に比べて鉄製の方が乗り味が"しなやか"なためです。
ゆっくりと距離を走る場合は、鉄製を選ぶことが多いですね。

<ここから組み立て編>

モールトン社から届いた新車の状態。
手直しをしなければならない箇所が多いので、ここから全分解して調整していきます。

まずはコンポーネントを全て取り外します。
そしてフレームやサスペンション部品を分解していきます。

画像の注釈にある通り、
リアフォークに採用されている純正のピボットボルトはネジ山が浅いため、
放っておくと直ぐにリアフォークにガタが出てくる or リアフォークが動かない
といった症状が現れるため、画像右側のボルトのようにネジ山を深く加工します。
他にも、SST、AM-Sportif、AM-New Series、AM-CENTURYなどが
これに当てはまります。

加工前の状態(画像左)ではボルトを奥まで閉めても随分隙間が空いています。
この状態のままリアフォークを取り付けても、固定力不足になっていることも多いです。

次にボトムブラケットハンガーの下処理をします。

ボトムブラケット シェル幅の基準値 68mmを下回らないように
注意しながらボトムブラケットハンガーを少しだけ削ります。

ここからフレームアライメントの点検作業に入ります。

ホイールを嵌め込むリアエンドに左右のズレが確認できたため、
右側のエンドを1mm弱削ります。

粗削り後は研磨をして綺麗に整えます。

フレクシタータイプのモデルは、モールトン社から納品される時点で
フレームとフロントフォークが組まれた状態で納品されます。
(その他のモデルは、フレームとフロントフォークが別々に梱包されて納品されます)

フレームとフロントフォーク、それぞれのアライメント点検を行うため
まずはフレームからフロントフォークを取り外します。

このフレームからフロントフォークを取り外す作業ですが、
ある程度フロントフォークをバラさないとフレームから取り外せないので
アッセンブルされたフロントフォークを一旦分解し、
アライメント点検するためにもう一度フォークを組み立てる
という手順を取ります。
手間がかかるので、他のモデルのように別々で納品してもらえると良いのですが...。

リアエンドと同様にフロントフォークのエンド部も点検を行います。
今回のフロントに関してはフォークエンドのズレはありませんでした。







バンプストップラバーが取り外せました。
なぜ、バンプストップラバーを取り外すのかというと
ネジ山にグリスを塗っておきたいからです。
これは5年後10年後の固着を避けるための作業です。

頻繁に取り外す箇所ではないため
何年後か先のことを考えて、錆を防ぐためにグリスをしっかり塗っておきます。

キングピン(メインフレームを分割する部品)を分解します。

新車の状態でフレーム内部にバリがあるため研磨します。




画像の注釈通り、キングピンの形式がいつの頃からか変更され、
脱落防止ボルトも簡素化し紛失しやすい形状に変わってしまいました。

キングピンそのものの形式が変更された当時はダブルパイロンにのみ、
画像中央のものと同じ形状の脱落防止ボルトが採用されていたのですが、
いつからか全てのモデルで簡素化された紛失しやすいボルトに変わってしまったため
ボルト自体を新調し(画像右)、
それを画像中央の以前に採用されていたボルトと同じ形に加工します。

キングピンが脱落しないために存在している脱落防止ボルトも
これで紛失せずに済みます。
キングピンの内部にほんのわずかな突起が出ていることで
ストッパーの役割をしています。
脱落防止ボルトはこのための部品です。

キングピンを組み立てる時は必ずグリスを塗りますが、
モールトン社から納品された時点ではグリスが塗られていないか、
グリスの量が少ないかのどちらかが殆どです。
長年使っていると固着してしまう恐れもあるので、必ず少し多めにグリスを塗ります。

ここもバリ取りをします。

フロントディレイラー台座の角度調整面がズレないように
サンドブラストで表面をあらします。
AMシリーズはTSR/SSTと少し異なり、ズレ防止の芋ネジが付いているので、
ズレにくくはなっていますが、念のためこの処理を行います。

リアハブも分解して、グリスの状況を確認し少なければグリスを足します。

ベースが整ったらコンポーネントを組み付けて調整し完成です。

AM-CENTURYを20インチにして、さらにモスキートバーに組み替えた
そんな仕様のモールトンです。
モスキートバーはゆったり楽な姿勢でモールトンを楽しむことができて、
他では味わえない雰囲気と操作が楽しめます。
ぜひこの機会にご検討ください。