2025-10-12

Moku2+4 オリジナル AM-Speed

モールトンシリーズの中で1番シンプルなAM-Speed。
自転車の顔となるクランクセットには、
シンプルなデザインのチェーンリングとスギノのクランクアームを合わせて
アクセントになる色を加えずにモノトーンで仕上げました。

価格は¥1,272,728(税込¥1,400,000-)
※Moku2+4 Original で仕上げましたので、
フレームkitから組み立てるよりお得になっています。

角度調整のできる快適なポジションが得られやすい
Moulton純正ウイッシュボーンステム。

ラインナップ上で販売されているものは、アヘッドステム専用のフレームですが、
こちらはスレッドタイプで本国に発注したモデルです。

スレッドステムは、すっきりとしたルックスが人気で、
アヘッドタイプからスレッドに加工される方も少なくありません。
また、すっきりとした見た目だけでなく、
ハンドルの高さ調整がしやすいのもポイントの一つです。


足回りは、クラシカルで細身のSugino製クランクアームに
STRONGLIGHT製チェーンリングをセットしてブラックで統一しました。


メインコンポーネントはShimano 105 11速のブラックカラー


ホイールハブのブラックに合わせて、スポークもブラックに。

左)バーテープはBROOK製レザーバーテープ。
右)サドルはselle italia フライト。

<ここから作業編>

左)リアサスペンションの動きに影響があるリアフォークピボット。
英国より届いた状態ではリアフォークの動きがとても渋いので再度調整し直します。
右)ボトムブラケットハンガーの下処理


フレームアライメント点検。
新車時からリアエンドの位置がズレている場合が多く、
左右のズレが大きいと走行性能に影響するため修正します。


フロントフォークもフレームアライメントと同様に走行性能に影響しますが、
特にフロントサスペンションの動きに関わってきます。


左)加工前、右加工後

画像のリーディングリンクプレートは
フロントサスペンションを構成するだるま型の部品です。

このプレートはプレスで製作しているため製品のばらつきがとても多く、
サスペンションの動きが悪くなる原因のひとつですが、
英国より組まれたフロントフォークのほとんどが
画像のように干渉した状態で届くので
サスペンションが動く度にフォークエンド上部を削ることになり、
動きが悪く(スムーズに動いていない)なります。


具体的には、画像左の矢印の部分を削ります。

右)削っただけではバリがあるので研磨します。

(左)ここ何年かの間に、赤丸の箇所も干渉している車体が多くなっているので。
(右)矢印の間を削ります。

削ったことで干渉がなくなりました。

サスペンションピストンの加工作業

(左)ピストンの下部分を旋盤で削り、(右)赤丸のような隙間を作ります。

リーディングリンクプレートと同様にサスペンションの動きに影響があるので
この作業を行います。

そのままの状態では隙間がないためサスペンションピストンの首は殆ど振りません。
ピストンの首が振らないということは、
摺動抵抗が大きくなり、スムーズにサスペンションが動かないことになります。




左)サンドブラスト前、右)ブラスト後

フロントディレイラー台座がズレるのを防止するため
フレームとの接触面(赤丸)をサンドブラストで荒らします。


チェーン脱落時の対応策として。

モールトン17インチシリーズでは、
インナーリングの内側にチェーンが脱落すると
トラスチューブに傷が入ってしまいます
少しでも傷を防止するために
アルミプレートを切り出してトラスチューブに貼ります。


リアエンドによってはハブシャフトを加工しています。

年式やモデルによってリアエンドの厚みが異なっているため、
ハブシャフトがリアエンドより突き出ている場合があります。
この場合、クイックシャフトの締まりが弱くなり危険です。

クイックシャフトの固定力を上げるため
突き出したハブシャフトを旋盤で1.4mm程短く加工します。

左)加工前、右)加工後



AM-Speedらしい無駄のないすっきりとしたモールトンに仕上げました。
このアングルからの眺めがカッコイイです。