2022-01-24

Moku2+4 Original SST -Maroon (マルーン / 別注カラー)

Moku2+4 オリジナル「Moulton SST - Maroon」が完成しました。

SSTのフレームキットをベースに組み上げたものですが、
AMシリーズが作られているBradford-on-Avonのファクトリーで塗装された別注品です。

Shimano 105 フロントハブの入荷が遅れに遅れて完成出来ずにいましたが、
ようやく完成しました。
税込価格 ¥650,000-(ペダル無し)です。

マルーン色にブラックパーツを多く取り入れて、クラシックスポーツに仕上げています。

クランクアームは細身でクラシカルなデザインの日本メーカーSUGINOのブラックを選択し、チェーンリングも歯先まで黒いSTRONGLIGHTのALLブラックを合わせました。

SUGINOのクランクを選択した場合、
クランクアーム取付ボルトキャップ(左)もチェーンリング取付ボルト(右)も
それぞれ別売りなので、ここも妥協せずにブラックを合わせました。

メインコンポーネントは、シマノ105-R7000 11速のブラック仕様。

昨年辺りからモールトンのリアフレームエンド幅は、
旧ロードバイク規格の130mm幅から、
旧MTB規格の135mmに変更になりつつあります。

SSTのリアフレームは、旧MTB規格 135mm を採用していますが、
今回装着するShimano 105はロード用のハブ 130mm なので
規格が合わないためそのままでは取り付けできません。
そのため、Moku2+4ではShimano 105のハブを一度分解し、
パーツの一部を加工又は製作して135mm幅に仕様変更しています。

Shimano 105 のハブを分解して、
ハブシャフト(左)を加工し、スペーサー(右)を製作します。
共にMoku2+4本店にある旋盤機を使って作業を行います。

タイヤは、トレッドパターンがレーシーなドイツのコンチネンタル社製。
ぷっくりとしたルックスがスポーティでカッコいいです。

Shimano 105 デュアルコントロールレバー(左)と
Shimano ブレーキキャリパー(右)。
こちらもブラックを選択して引き締めていきます。

ハンドル、ハンドルステム、ヘッドセット、カーボンコラムスペーサーも
ブラックを選択。

ブレーキケーブルは、フレームのマルーン色に近づけて"あずき"色を選択。

レザーバーテープには、英国Brooks社製 ラズベリー色を選択。
Brooksには同じマルーン色(くすみカラー系)もありますが、
ワイヤーケーブルと同様にフレームの色に極力近づけたかったので
ここは敢えてマルーン色よりも少し彩度の高いラズベリー色を選択して
全体的な統一感を持たせました。

バーエンドキャップは、ブラックで引き締めました。

サドルは英国Brooks社 限定サドル"チームプロ エロイカ"を合わせました。

随分と前に生産が終了した限定のエロイカ※サドルは、
日本、ブリタニア(イギリス)、ヒスパニア(スペイン)、トスカーナ(イタリア)、
カルフォルニア(アメリカ)の5種類製造され、
開催地のアイコン的なモチーフが刻印されています。
日本はGreenで富士山、ブリタニアはBlack、ヒスパニアはMaroonで闘牛、
トスカーナはBrown、カルフォリニアはHoneyで波、とそれぞれ特色がありました。

このマルーン色のモールトンには英国つながりでBlackのブリタニアにしました。
ちなみにシートポストもBlackで合わせました。

※エロイカ(英雄):1997年にスタートしたL'Eroica(エロイカ)。
ヴィンテージ自転車愛好家なら誰しもが憧れるサイクリングイベント。


ーーーーーここから作業編ですーーーーー

英国より届いた状態ではリアーフォーク動きがとても渋いか、
もしくはガタがあるかのどちらかです。
ガタが無くスムーズに組み立てているフレームにはまず出会わないですね。
そのため、確認しなければなりません。
このフレームはピボットブッシュのスピンドルの摺動がとても固い上に
叩いて圧入されていそうでした。

まずはブッシュ内をリーマー掛けして、スピンドルがスムーズに動くようにします。

次はブッシュ幅とスピンドル長を計測します。
今回のフレームはスピンドル長が長かったですね。
このままだと追々ガタが出てくるので加工します。
調整方法は、スピンドル長の旋盤加工+シムを入れました。

ピボットブッシュの状態確認と調整を行い、
リアフォークの可動調整ができたら、定盤にフレームをセットします。

リアエンドのアライメント点検。
左右のズレを確認して調整します。

メインフォークのアライメント点検。
左)フォークの中心を軸にして左右それぞれのズレ(開き)を適正位置に調整。
右)フォークエンドの傾きを並行に調整。

メインフォークと同様にスタラップ(サブフォーク)もアライメント点検。

左右のエンド位置が、1mm弱ズレていたので修正します。

ヤスリで削った後は、その後綺麗に仕上げます。

作業箇所はこれにとどまらず、他にもたくさんの作業箇所がありますが、
画像が撮りきれていません。
今回はフレームの調整に特化して撮影しました。

毎回毎回、将来買ってくださるお客さまに楽しんでいただけることを想像しながら、
丁寧に組み立てることを心がけています。


このSST Maroonは、
通常ラインナップされているSSTの塗装とは違って
AMシリーズを作っているイングランド南西部 Bradford-on-Avon(BOA)にある
ファクトリーで塗装されたものになるのですが、
正直パッと見ただけではほとんど違いは分かりません。
通常のものとBOAファクトリーのもの、双方それぞれの良さがあるので
どちらが良いとはなりませんが、
BOAファクトリーの塗装は発色や色味、コーティングの感じも違うので、
明度の高い色味でも彩度の高い色味でも
また違う雰囲気に仕上がってきます。
同じSSTでもまた雰囲気の違うものに仕上がるので組んでいても楽しいですね。

街中で映える、目を惹く美しいSSTに仕上がったのではと思っています。
クラシックスポーツなテイストで作り上げましたが、
スポーツモードでも、のんびりモードでも、
毎回エレガントな気分で楽しめそうです。