2018-02-23

Moulton APB-8 モディファイ&レストア(Claret Red →Yellow) Part.1

2003年にご購入いただいたAPBをカスタム&再塗装されました。
まずはMTB用のVブレーキから、ロード用キャリパーブレーキ仕様に
変更するための作業です。
フレームを加工するためサンドブラストで塗装の一部分を剥がします。
ブレーキ台座周辺の塗装が剥がれました。

Vブレーキからキャリパーブレーキ仕様にカスタマイズするため、
ブリッジ(画像左)とVブレーキ台座(画像右)を切断します。

フロントフォークも同様にVブレーキ台座を切断します。

リアフォークブリッジを切断したので、リアフォークエンド幅をMTB規格の135mmから、ロードバイク規格の130mmにアライメント定盤を使って修正します。

ホイールを取り付け、ブレーキの取付位置を確認しながら、
新たに溶接(ロウ付け)するブレーキブリッジの幅を決めていきます。
ブレーキ台座の位置が決まれば、仮溶接します。
仮溶接で位置を確認してから本溶接を行い、アライメントの確認をします。

溶接部分をヤスリで整えてフレームのカスタマイズが完成。

塗装が仕上がったフレーム一式。
ここから組み付け作業に入ります。

リアフォークピボット、シートチューブ、フレームキングピン部分など、
塗装膜が付着している箇所を研磨したり、タッピングし直します。

リアフォークピボットを圧入し、ピボットスピンドンルを旋盤加工しつつ、
0.数ミリのシムでリアフォークの動きを調整します。

こういった作業もサスペンション調整の一つになります。
リアフォークのサスペンション調整が出来たら、最終アライメントの点検をします。

次はフロントフォークの組み立てです。
ネジ山やサスペンション内の塗装膜を研磨します。

フォークエンドブッシュも交換します。

フロントフォークもフレーム同様に別途アライメント点検を行います。
これもサスペンションの動きに関わる作業です。
ここをしっかりと調整しなければモールトンのサスペンションが
充分に体感できないため、重要な作業の一つといえます。

ズレを出来る範囲で修正します。

フォークエンドが外に開いていたり、内側に入っていたりするのを
自転車用エンド修正工具(画像左)を使って平行にします。
この工具も市販品では装着できないため、市販品を加工し使用しています。

次にフォークアライメント定盤(画像右)を使って
左右の開きが均等になるように修正していきます。
一方が大きく開いていたり、一方が内側に寄っていたりするのを
均等にするための作業です。

さらに自転車用エンド修正工具では直らない
左右のフォークエンド位置(ハブ軸)のズレをヤスリで削って修正します。

ひとまず今回はここまで、次回に続きます。