2017-02-18

Alex Moulton AM-Speed S Mk1 組み立て直し。

AM-Speed S のフロントサブフォーク修理の依頼です。
フレームアライメント点検に加えて、
装着されていた Shimano DURA-ACE 7700を7800 に交換されました。
DURA-ACE 7700を取り外していきます。
折れたサブフォークの修理依頼だったので、修理する事も考えましたが、
補強しにくい箇所だったこともあり、ご依頼主に説明した上で
交換することになりました。
今回のフレームは他店で購入されたモールトンなのですが、持ち込まれた時は、
DURA-ACE 7700 のショートリーチ用のブレーキアダプターが装着されていましたが、
取付ナットの長さが長過ぎたり、その他諸々、取付け方法に気になる点が多かったので、
アダプターも交換することになりました。
自分ではこのような仕事はしませんね。

Speed S Mk1用にこちらで製作したアダプターを取り付けながら微調整します。
フォークのアライメント点検と修正。

スプリングやサスペンションピストン、ボトムリンクなど摺動(しゅうどう)する部分は滑らかに動くように削ります。
今回はスプリングのみの先端画像ですが、バリがあったので削ります。
左)加工前、右)加工後。

アライメントを点検します。
まずはアッセンブルされたフロントフォークを全部バラします。

サブフォークとメインフォーク、それぞれアライメントの修正を行いますが、
モールトンの場合は、いくつかのパーツで構成されているため、単体でアライメント修正していてもアッセンブルするとアライメントが変わる場合があるので、アッセンブルした後もアライメント修正を行います。

リーディングリンク式フロントフォークは、モールトンの要となるサスペンション部分なので、ここはしっかりと精度を出しておかなければいけません。



リアフォークにガタがあったので、確認するためブッシュを取り外すと
削れた後がありました。
          
ブッシュが削れた原因は、ロウ付けによるロウが内部に残っていたためでした。
左)削る前 右)ロウを削り研磨しました。

新しいブッシュを圧入したら、ブッシュ幅とスピンドル幅を計測します。

計測結果に応じて、スピンドルを1/10mmから1/100mm単位で加工します。
リアフォークの取り付けが済んだら、リアフォークのアライメント点検をします。

左)ボトムブラケットスペーサー加工前 右)加工後

DURA-ACE 7800のコンポーネントを取り付けます。
フレームのボトムブラケットシェル幅が基準値より少し小さかったので、フレームとボトムブラケットの間にスペーサー(画像)を入れて対処しました。

今回取り付けたボトムブラケットは、スペーサーを入れると0.2mmほど隙間が空いたので、シムの内側を少し斜めに削りました。

ボトムブラケットの取り付け方法については、
下記ページ「3.ボトムブラケットのフェイスカット」にて詳しく説明しています。