2017-01-20

Alex Moulton AM-20 Mk2 (Pale Grey) / Dura-Ace 7800

AM-20 Mk2 ペールグレーの新車組み立てです。
フレームをご注文いただいた時にキャリアも2種類ご注文されました。


左)Dayキャリア、右)Largeキャリア。
フロントフォーククランやフレーム分割部のステンレスラグは別注オーダー。

ハンドルステムは標準仕様がアヘッドなので、
別売りのウィッシュボーンステムを注文すると
当然アヘッドタイプが送られてくるのですが、
スレッド仕様でご注文いただいたので、
スレッドのウィッシュボーンステムを別注しました。
フォークはアヘッド仕様のまま送られてくるので、
スレッドステムが取り付けられるように、こちらで諸々加工します。

バーテープはBROOKS レザーバーテープ(ブラウン)。
サドルはBROOKS B-17 STD(ハニー)。

メインコンポーネントはShimano Dura-Ace 7800。
ペダルはクラシカルなMKS AR-2。
ポリッシュ磨きが綺麗なアメリカ製「White Industries」

Moku2+4の17インチ用オリジナルアルミマットガード。
タイヤラインに綺麗に沿うように加工しながら取り付けます。

ーーーーー組み立て編ーーーーー

まずは、フレームの下処理から。 
リアフォークの動きを確認。大抵スピンドルが長い場合が多いのですが、
今回はブッシュ幅が0.数ミリ長かったので少しだけ削ります。

キングピンの廻り止めと抜け止めの両方を兼ね備えているボルトを製作します。
詳しくはこちら>>>

フレームアライメントを確認するため錠盤。

リアエンドの幅を点検し修正した後、
リアエンドを少し削りホイールの傾きを修正します。

このようにモールトンを錠盤でアライメントを点検したり、削ったりしながら組み立てていく作業は、私の知ってる限り世界でも稀なんじゃないかなと思います。
アライメント錠盤については、以前ショーン・モールトン氏とも実物を前にして話し合ったことがありました。もうあれから4年も経つんですね。月日の流れは早いです。
その時の様子はこちら>>>
(その2のおまけコーナーで紹介しています。)

組み立てられたフロントフォークを分解します。
右)分解する前はボトムリンクがフレームと干渉しています。このような細かいところも
  サスペンションの動きに影響してくるので、削って干渉するのを防ぎます。

フォークコラムをスレッド仕様に加工するので、
まず下処理が完了したヘッドチューブ長を計測します。
 ヘッドチューブの計測に基づいて、フォークコラムをカットします。

 フォークコラムをカットした後、スレッド(ネジ切り)の加工をします。

さらにスレッド加工が完了したら、フォークコラム内径をステムが入るように加工します。AMシリーズは内径を加工しなければ、スレッド仕様のウイッシュボーンステムが入りません。

内径を加工して、ステムが入るようになりました。

通常のスレッドステム規格はφ22.2ですが、スレッド仕様のウイッシュボーンステムは外径に誤差があるので、現物合わせで加工します。

左)フォークアライメント点検。
右)ハイトアジャスター内部のネジ山がとても硬かったので、タッピングします。
  サスペンションパーツも点検しながら、組み立てていきます。

この他いろんな所を点検しながら完成させていきます。