2015-09-15

Moulton AM-Speed シフトマウント カスタマイズと再組み立て。Part.3

いろんなところに組み付けの不具合があったので、ここから組み立て直しをします。

まずは、リアフォークの動きがとても渋かったんで、フレーム幅に影響の無い範囲でブッシュを0.数ミリ削って調整。
ラバーコーンの取付ボルトは締まっていたんですが、ラバーコーン本体が手でクルクル回ります。これはラバーコーンがきちんと固定されていない=ガタがあるという事です。
ボルトが長く底付きしていたのが原因です。
フレームアライメントを点検します。

見るからに組み立てが良くなさそうなのが分かります。
下玉押し上部の塗装が少し膨らんでいたり、塗装が剥がれていたので、
下玉押しを強引に圧入されたんでしょうね。

左画像) ボトムリンクの端がフォークに干渉しています。
右画像) 取り外すと削れた跡があります。
フォークに関しては、本国で組み立てた状態(Assy)で納品されるので、こういった事は新車の時からよくあります。
やはりモールトンをきちんと組み立てようと思うと、全部分解して点検するのがベストだと思います。

とりあえず、フォークを分解。
購入されたショップでスレッド加工(ネジ切り加工)を依頼されたんですが、
フォーク先端は切ったまま、内径はガタガタなんでさすがにちょっとびっくりかな。

モールトンをスレッド化する場合は、コラムのネジ切り以外にもステムが入るように内径を拡大しなければなりません。(そのままではステムが差し込めません)

さらにびっくりしたのが、削りカスの鉄粉がフォーク内に溜まっています。
内径を削る時にフォークを分解せずにAssyの状態で作業したんでしょうね。

う〜〜〜ん、これはまずいですね。

もし、この価値観のままエンジンを組み立てたら、即ブロー(壊れる)でしょう。
自転車なんで削りカスが溜まったところでバーンと壊れる事は無いでしょうけど、
さすがにこれは無いかな…。

複雑な構造をしてるがゆえに、モールトンは組み立てる「技術」が必要だとよく言われますが、作業自体は決して難しい事ではありませんし、「職人」と言うほどでもないと思います。

クルマのエンジンに比べたら部品点数も少ないですし、こまかな計測や経験でのノウハウもそこまで必要ないと思います。
作動した時のイメージや想像力は大切だと思いますが…。

ただ、モールトンはロードバイクなどと比べると作業する箇所が多く手間がかかります。
結局はその手間の問題なのかなと。
作業する側の価値観で内容も大きく変わってくると思います。

またまた驚きが…。
ステムの真ん中の部分(コラムに入る部分)が短くカットされていました。
(画像中の左にノーマル、右に短くカットされた物)
その上、ボルトまで短くカットされていました。

なぜ、こんな事になっているんでしょうか。
ちょっと想像してみました。

純正のAヘッド専用フォークは、ステムを差し込む構造をしていないため、コラム内径が小さい。
ステムコラムを差し込めるように拡大する。
     ↓
その拡大する工具がステム挿入部より短いため、コラムの上方しか拡大出来ていない。
     ↓
拡大したつもりなのにステムが入りきらない?→もしかして、底突きしているのかな?→
それだったら短くすれば最後まで入るだろう。

いろいろと根本的に問題が多いので、やり直しするには少し忍耐が入りますが、   
出来る限り良い状態に持っていくようにしていきます。

左)切りぱっなしのコラム先端、右)整えた後。
下玉押しのフェースカットもなんか怪しい…。
下玉押しを取るのがとても硬かったんで、
きちんと処理されていないという事ですね。

左)処理前、右)処理後。

やっと、ここからはいつも通りのフォークのアライメント点検です。

今回はこの辺で。
まだ続きます。
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