2012-05-05

Moulton - Double Pylon リアフレーム


AM-Double Pylonの組み立てです。
組み立て時に行うフレームの下処理(BBフェイスカット、分解して各部のグリスアップなど)も終わり錠盤でフレーム精度の点検していると、自分が考える規定値よりも大幅にズレていて(歪んでいて)修正のしようが無いと分かったので、新たにリアフォークを作り直してもらうようモールトン社に依頼しました。まぁ、これが初めてでもないんですが…。



フレームの精度に対する考え方はどこを基準に製作していくかで異なりますが、それを踏まえてもどうしてこのようなフレームの歪みが出てしまうんでしょうね…。

少し余談ですが、重機を買った時の話を少し…。
いつもお店で使っている旋盤やフライス盤その他重機は、いつも東京の重機屋さんから買っています。関西では東大阪に重機を扱う業者がたくさんありますが、送料などの諸費用を考えると大阪で買った方が安く済むので何でわざわざ遠い東京から買うの?と聞かれる事もあります。

重機の事はもちろん素人なので、どのメーカーや種類が自分に適しているのかも分かりませんし、軽く機械を作動させたぐらいでは機械の精度は判断できません。モーターが回っていても可動する部分が消耗していたり、ガタが出ていたら後々コストが掛かりますからね。インターネットで調べればそれなりの情報は得られますが、特殊な車両を扱っているので加工が必要になる場合も多いですし、カタログだけの情報ではなく、機械の特徴や性能、寿命やそれに見合った価格、見た目だけでは分からない細かい部分の判断はやはりその道のプロの方に教えていただくのが一番だと思っています。

ちょうど私の検討していた機械が大阪にあって、購入する事を前提に精度や仕様具合を業者に聞きましたが、機械の用途や精度の事はあまり教えてもらえませんでした。たまたまそういう人に当たってしまったのか、相性が悪かったのかもしれませんが、そんなに頻繁に買い替えるものでも無いですし、出来れば一生使い続けたいので納得出来るものを買いたいと思って他の重機屋さんもいろいろと探しました。

地域を縛らずに探したところ私の思う業者さんが東京にありました。
こちらの真剣さも伝わったと思うのですが、年式やメーカーによる使い方の違いや性能、このような事をしたいのであれば、このメーカーでこの年式ぐらいが良いなど詳しく教えてもらえました。
実際にご本人も重機を使って物を作られているので、こちらの求めている物を汲み取って提案してくれましたし、とにかく機械が好きだと言われていただけに、話してても着眼点が他の業者と違っていたので本当に機械が好きなんだというのが伝わってきました。

フライス盤を買う時も、予算とメーカーと型式を決めた上で、これは見た目は綺麗だけど 数ミリ/100 精度が出ていないからやめといた方がいいなどアドバイスを聞きながら決めました。同じメーカーの同じ型式でも、使用状況により機械の善し悪しは様々です。
同じ製品でも値段がピンキリでどこで判断していいのか、何が良くて、何が良くないのか、必要とする物は分かっていても選択肢が多すぎて素人では判断が難しかったんですが、信頼できるアドバイスをしてくれたこの人から買おうと決めて納得して買えたことは私にとって良かったです。
でも物は探せても信頼できるお店を探すのは本当に時間が掛かりました。
東京から重機を輸送してもらう場合、大きな木枠(パレット)を重機に合わせてその都度、製作してもらうので輸送コストも毎回結構掛かるんですが、それでも重機やその他特殊な工具などは、いつもこちらのお店で買っています。信頼できるお店に出会えたことは大きいですね。

話を錠盤に戻しますが、錠盤が無ければ今回のようなリアフォークの歪みに気付くことはできませんし、オーダーされるお客様にも分からない事ですが、目をつぶってこのまま組み進めていくのは自分の性格からして出来ません。
今回のリアフォークの件も、錠盤上でフレームの歪みを図っている画像をモールトン社に報告したので再製作の依頼もすんなり通りましたが、その前に錠盤を製作するキッカケとなったのは、普段の組み立て作業でフレームの精度に疑問を感じたからで、修正したらもっと気持ち良くスムーズに走れるだろうし、もっとより良く改善できるのであればそうしたいと思いました。でもフレームの大きな歪みについては一度や二度のことではないのでモールトン社へ報告することで改善されれば良いなと思います。