2011-12-13

Moulton New Series(Maroon) Campagnolo ATHENA 組み立て

AM-New Seriesの組み立て開始。10年間共に過ごされたブリジストンモールトンからステップアップされました。ロードも所有されていましたがご友人に譲られて、ブリヂストンモールトンの相棒としてこのNew Seriesを選ばれました。



最初はTSRで検討されていましたが、使い方や楽しみ方、イメージなど、どんな感じでモールトンと接していきたいのかを伺う内に、少しだけAMシリーズも視野に入っていると言われたので、AMシリーズを含めたそれぞれのモデルの特徴を説明させてもらったんですが、どんどんいろんな方向に話が広がっていって・・・、その結果、毎日乗りたいし、輪行もしたい、長距離も乗りたいなどなど、求める要素を兼ね備えていて今の自分のスタイルに一番合っているのはこれなんじゃないかとNew Seriesに決められました。


TSRからAMへ。その理由を伺うと「New Seriesは発表された当初から気になってはいたんですけど、当時はこんな高価な自転車に自分が乗るなんて思ってもいなかったんですけど・・・。たまたまいろんな要素が集まって、今が自分にとってAMを手に入れるタイミングなんじゃないかと思って・・・」と言われていました。

まずはフロントサスペンションの整備から取り掛かります。New Seriesのフロントフォークは全て組み上がった状態で納品されるので、きちんと組まれてあるか一通りチェックするんですが、案の定ヘッドベアリングがきちんと締まっていませんでした・・・ガッタガタでした。どうしてこんなことになってるんでしょうかね・・・。
左)とても隙間が空いています。右)組み直した後。

思った通り、下のヘッドワンもちゃんと入っていない・・・。まぁいつものことですが。左)フレームとの間に隙間が空いています。右)組み直した後。


フレームを錠盤に乗せてリアセンターを確認すると、・・・結構な感じでズレてました。できる範囲で修正するんですけど『ステンレスはしなりにくいから修正するの怖いんですよ』って言いながら作業してます。まぁいろいろ口うるさく言ってますが、アレもコレもモールトンに対する愛ゆえになんですけどね・・・。

これもいつもの事なんで驚きませんが、フロントフォークも左右でズレていたので、フォークエンドをマーキングしてから削ります。

さて、フレーム修正も完了してパーツの組み付けに入ります。調子良く進めていると、ブレーキに泥よけが干渉することが判明。このままだとブレーキの引きが重くなってしまうので泥よけを削って問題解決。削って解決と簡単に書いていますが、最後の微調整はやっぱり時間が掛かかります。こういうときはスマートに見せるための「仮付けして→削る」の作業を怠ってはいけません。

地味な作業の積み重ねでやっと完成。均整の取れたモールトンに仕上がりました。MokuではNew Seriesが人気なんですが、この後にももう一台、色もコンポーネントも同じNew Seriesが続くんです。個人的にフレクシターが好きなんでなんか嬉しいですね。
今更ですが・・・、フレクシターを搭載したサスペンションは本当に素晴らしい。見た目はただのシンプルなゴムの棒なんですけどね。フレクシターというゴムの構造を理解すればするほど惹きつけられるんですよね。まぁ、シンプルがゆえにとても奥が深いんですが、これに勝るサスペンションスプリングはなかなか無いと思います。

あとは、お渡しするのを待つのみ。現在店内にオーバーホールや組み立てなど、作業を控えているNew Seriesが全部で5台あります。優雅な光景です。
今回の事例は作業のある一部なので詳しくはこちらから。
AM-New Seriesシリーズの詳しい組み立て作業内容>>>
そして後日、New Seriesを引き取りに来られたオーナーとテラスで撮影。
完成した画像はこちら >>> AM 20inch Series No.16