2011-04-12

TSR-9 (BK) 完成車 組み立て。2/2

4月9日のMoulton TSR組み立ての続きです。フォーク内部にバリや段差があったりするので、内部の状態を確認するため分解して洗浄します。
サスペンションフォークとパーツの洗浄ができたら、フォークのアライメント修正をします。ほとんどの完成車はアライメントが出ていませんね。このような作業を積み重ねていくと、サスペンションがスムーズに動きます。

このフォークはハイトアジャスターを取り外す時に、とても硬かったのでネジ山を修正しました。このような所も分解しないと気づかないところです。

ボトムリンクの耳がフォークに干渉している事があるので、フライス盤で少し削ります。この作業もサスペンションをスムーズに動くようにするためには省けないところですね。(ボトムリンクの加工ついてもっと詳しく見る >>>

錠盤でメインフレームをアライメント修正する前に、ボトムブラケットハンガーをフェースカットしておきます。

錠盤にフレームを乗せて、メインフレームのアライメント修正をします。フロントフォーク同様、アライメントは出ていませんね。この作業は「修正」→「錠盤で確認」という作業の繰り返しになるので結構手間がかかります。

それぞれフォーク単体でのアライメント修正はしましたが、今度はメインフレームにフォークを取付けてアライメントを確認します。フレームに前後フォークを取り付けてアライメントを確認することを自転車で言うところの芯(センター)になります。この芯が自転車の走行にとても影響があります。

アライメントを確認した後、フロントフォークエンドを0.7mmほど削りました。本当はおよそ2mmほど削れば車輪のズレが無くなります。しかし、ボトムリンク自体の精度が出ていないので大幅に削る事は出来ません。精度の出ていないところで調整しても、あまり意味が無いからです。この削り幅は、それぞれの精度を把握した上で決めるので、経験とモールトンに対する理解が必要になってきます。

手で持っているのが、MokuTuneで製作した高精度ボトムリンクです。走行性能をさらに高めようと細かくアライメントを突き詰めていくと、結果的にこのような高精度な部品も必要になってきます。

あとは試乗して完成です。このように手を加えていくことで、ワンランク、ツーランクも上のTSRに仕上がったと思います。クラッシックミニのエンジンチューニングでもそうですが、全く同じパーツで組み立てても、組み方、組む人によって全く異なるエンジンに仕上がります。実際にそのエンジンを運転してみれば回転の軽さや振動、パワーの違いを感じる事ができるので、そこが見た目だけでは無い、物事の本質のような気がします。