2025-12-27

🎵旅とモールトン 第34弾 隠れた秘境・龍鎮神社と室生寺の紅葉             (奈良県宇陀市/2025年11月21日)


20251121

今回は奈良県北東部にある宇陀市をサイクリングしてきました。

この日はまだ紅葉の見頃とまではいかないものの、ところどころ色づいてきた山の風景に秋を感じることができました。


先月も奈良へサイクリングに出かけ、明日香村の棚田に四苦八苦しましたが、今回も奈良=山のイメージが覆されることのないサイクリングでした()


宇陀市は龍神にまつわる神秘的なスポットがたくさんあります。

今回はその中のひとつ、龍鎮渓谷にある「龍鎮神社」を目指しました。

が、何気に作成したルート上に紅葉の名所「室生寺」や室生寺よりも古い歴史をもつ「室生龍穴神社」があり、想像以上に見どころ満載で当初の計画と大幅に変わってしまいましたが、色とりどりの紅葉が堪能できたサイクリングのレポートをご紹介します。


午前9:00

道の駅 宇陀路室生(うだじむろう)に到着。

必ず渋滞する奈良市内を回避するために車載NAVIは使わずに、自転車で使っているルート作成アプリ"Ride with GPS"でルートを引き、京都宇治市経由で奈良へアクセスしました。


09:25
サイクリングスタート

身体が温まりきらないうちから、ゆるゆると上り坂が出てきます。

まだ序盤でしたがこのまま上りが続きそうだと判断し、マフラーなどの防寒具を減らして体温調節します。さすが奈良、期待を裏切らない...


10:15

2kmほどの長いトンネルを抜けたら目の前に巨木が!


而二不二ノ神木(ににふに の しんぼく)

樹齢およそ1000年


「而二不二」とは、仏教用語で「二つに見えてもその本質は一つである」という意味があるそうで、別々に見えても一体であるということから、この而二不二ノ神木も幹が二手に分かれ夫婦杉にも見えるけど元は一本の杉なのですよ、と受け取ったのですが、而二不二は知恵と慈悲の関係にも置き換えられていて言葉の意味が深く難しいですね。

でもこのblogを通して「而二不二」という言葉をふんわり学ぶことができました。


而二:一つのものを二つの側面から見る。区別して認識すること。

不二:その二つの側面が実は本質的には一つであり、分離できない関係であること。


10:20

室生龍穴神社(むろう りゅうけつ じんじゃ)


而二不二ノ神木のすぐ横に室生寺よりも古い歴史をもつ龍穴神社があります。

龍鎮神社へお詣りすることが本日一番の目的でしたが、素通りするわけには行きません。


室生龍穴神社 拝殿


室生龍穴神社 玉取りの狛犬

運気が転がりますように...


室生龍穴神社 本殿


水の神、竜神が祀られています。

本殿をお詣りして先へ進みます。


ここでうっかりミスが判明。

この案内図は現地でも見ていて、「招雨瀑 龍穴」が、以前からお詣りしたかった「妙吉祥龍穴」と同一だったことに気付けませんでした。

本殿を出て1kmほど林道を歩くと奥宮の妙吉祥龍穴に辿り着くそうですが、走行ルートと逆方向だったというのもあって全く気にかけることなくスルーしていました...


龍神が棲むと伝わる龍神神社の「妙吉祥龍穴」は古くから雨乞いの神が祀られています。

日本三大龍穴の中で唯一実際に見ることのできる龍穴です。


<日本三大龍穴>

貴船神社(京都府)、備前龍穴(岡山県)、室生龍穴神社(奈良県)

(貴船神社と備前龍穴は神聖な場所ゆえ誰も見ることはできません)


これを帰宅後に気づいて、いつもなら"また来よう!"となるところが、今回はさすがに「うぁ~~しまった~~~」と声が漏れました。敢えてそう判断したならまた来ようという気持ちになるのですが、ただただ認識不足だっただけに悔やまれます。

奈良にはまだまだ行きたいところが沢山あるのに、もう情報が混在してしまってますね....クゥ〜〜〜〜残念。


10:45 室生寺(むろうじ) 室生龍穴神社から600m


お参りする予定のなかった室生寺。画像は室生寺の太鼓橋です。

ルート上で昼食場所がこの辺りしかなく立ち寄った地域ですが、予定していた飲食店と室生寺がこれほど隣接しているとは思わなかったので、この後のスケジュールも気になってはいましたがこの機会にお参りしてきました。


室生寺は真言宗室生寺派のお寺で、女人禁制だった高野山に対して、古くから女性の参拝が許されていたとされることから「女人高野」として親しまれています。

かつて龍穴神社の神宮寺ともいわれ、龍王寺と呼ばれていた時期もあります。


せっかくの機会ですので、寶仏殿と金堂特別拝観(2025年10月18日〜12月7日)もお参りしてきました。


室生寺 境内
紅葉にはまだ少し早かったですが、ところどころ見頃を迎えていました。

【国宝】金堂(平安時代初期)

【国宝・特別拝観】 薬師如来立像(平安時代初期)
【重要文化財・特別拝観】文殊菩薩立像(平安時代初期)
【重要文化財・特別拝観】十二神将立像(鎌倉時代)

室生寺は全ての仏像の撮影が禁止されているので安置されている建物のみのご紹介です。

【国宝】本堂(鎌倉時代)

【重要文化財】本尊 如意輪観音菩薩像(平安時代)

【国宝】五重塔(平安時代初期)

総高16.1m 屋外に建つ国内最小の五重塔です。
その小ささから「弘法大師一夜造りの塔」と例えられています。

初春はウメ、春はヤマザクラ、晩春はシャクナゲ、梅雨は紫陽花、夏は青もみじ、秋は紅葉、冬は雪景色と室生寺はいつお参りしても心に残る風景が見られるのでしょうね。
いつか雪景色を見てみたいです。

奥の院へ向かいます。
石段は、お寺全体で約700段、五重塔から奥の院までは約400段あります。



【国宝】奥の院 御影堂(鎌倉時代)

登り切った達成感が強く、弘法大師像が安置されている御影堂のお参りをし、肝心の奥の院の撮影を忘れていました。画像は位牌堂からの景色です。
最後に寶仏殿へ

【国宝】 釈迦如来坐像(平安時代初期)
【国宝】 十一面観音菩薩立像(平安時代初期)
【重要文化財】地蔵菩薩立像(平安時代初期)
【重要文化財】十二神将立像(鎌倉時代)

偶然にお参りした室生寺でしたが、国宝や重要文化財の宝庫でした。
超越した何かが発せられていて言葉にできないといいますか、ぐるっとまとめて宇宙を感じました。お参りできて良かったです。

12:20
室生寺の向かいにある「お食事処 中村屋」さんで昼食。

室生寺へお参りする際、辺鄙なところに駐輪したので、食事中どこに駐輪して良いのかお店の方に尋ねたら「これからお参りですか?」と尋ねられたので「いまお参りしてきたところです」と答えたのですが、中村屋さんでお食事される場合はお参りの際にお店の方に一言声をかけておけばお店の駐輪場に停めさせてもらえる感じだったので中村屋さんオススメです🎵 ちなみに朝10時から営業されています。
(画像は撮影のために自転車をお店の入り口に移動させました)

中村屋さんの店内。
落ち着いていてほっくりします。

温かいそうめん
味変の柚子唐辛子が添えられていてお出汁も美味しく体も温まりました。

12:40
近くにある行きたかったお餅屋さんへ向かいます。

室生よもぎ餅 もりもと

ここのよもぎ餅が食べたかったのです。
こし餡と粒餡があって、粒餡は焼き餅で提供されます。

出来立てのよもぎ餅に餡をくるんで、焼いてと大忙しの様子。

13:00

柔らかくて熱々♪

粒餡の焼き餅はその場で食べて、こし餡は途中に食べるおやつ用に持ち帰りました。

出来立ての温かく柔らかいお餅にとろりと甘いあんこのハーモニー🎵


清流 室生川(むろおがわ)
この室生川、初夏はホタル街道として親しまれているそうです。

ゴミは全て持ち帰りますが何故だかドキリとします。
キャッチーで効果的♪

室生川と紅葉

13:30
道すがら現れた「室生もみじ公園」
散り始めていましたが紅葉の絨毯が良い感じ。


ここから本来の目的地「龍鎮神社」へ向かいますが、室生ダムの先にあります。
ダムなので当然坂を上ります。

室生ダム
ここからは室生ダム沿いの緩やかな坂を上っていきます。

14:05
深谷川上流にある竜鎮渓谷に到着。
実はこの案内板に気が付かずに3kmほど先まで走ってました。
案内板が小さくて通り過ぎてしまうという...。

竜鎮渓谷は、約1万5000年前の火山活動で作り出された室生赤目青山国定公園内にあり、遊泳やバーベキュー、火気の使用は禁じられています。

龍鎮神社へはこの朱色の龍鎮橋が目印です。
この龍鎮橋の奥に駐輪して歩きます。
参道は石が転がっていたり滑りやすいので歩きやすい靴がベターです。

熊出没!注意!(龍鎮渓谷の入り口にあった張り紙)
7月26日に熊が出たとのことで、しばらくは龍鎮渓谷も通行止めになっていたそうです。
念のため自転車に付けていた熊ベルを外して鳴らしながら渓谷に入りました。

龍鎮神社の参道

眼下に鳥居が見えてきました。

龍鎮神社(りゅうちん じんじゃ)
水の神が祀られています。
同じ宇陀市にある海神社の境外摂社で約400年前の安土桃山時代に創建したとされる龍鎮神社ですが、それ以前から自然崇拝の場として神聖視されていたとのこと。

川の向こう側にある本殿

川にはしめ縄が張られ、神聖な空気に包まれています。


龍鎮の滝 落差3mの渓流爆
龍神が棲む滝壺(深谷龍鎮渓谷)そのものがご神体とされていて、
川の透明度が凄まじく、川底までしっかり見えます。


14:30
龍鎮神社を後にします。
平日の14時も過ぎていたので私たちだけかと思っていたら、歩き始めてすぐ二人連れの方とすれ違い、参拝中はしばらく貸切状態でしたが、また別の二人連れが来られたので神社を後にし、帰りの参道でまた二人連れの方とすれ違ったりと、便利とは言い難い場所にある神社でしたが有名な秘境パワースポットなのだと感じました。

あとは室生ダムを下ってゴールの道の駅 宇陀路室生を目指すのみです。

と、悠々に走りだしたら、違うーーー!今日一番の山越えーーー!
目的を達成した後だったので気持ち的にもこの坂が一番キツくて、上り切って下ったと思ったらまたグーンと上がって少し下がって...また少し上がって少し下がっての繰り返しーーー!なんじゃこりゃー!どうなってんのー?!

交通量の多い幹線道路を避けてルートを作成していたらこんなことになってしまいました。
それでもせっかくの旅で幹線道路を走るのは勿体無いので、所々で不満をこぼしつつ山越えであってもこの道で正解だったんだとお互いに言い合って走っていました。

それにしてもGoogleMapで見ていたところがこんな山間部だったとは...。
GoogleMapって平面に捉えがちといいますか、つい勾配を無視して距離だけで考えてしまう傾向にありまして...GoogleMapマジックですね...だからこそ見える景色もあるのですが...。

15:20
やっとこさてっぺんに到着。
この景色を見たらさっきまでのしんどさも納得です。
こんな上まで走ってきたかぁ〜♪頑張ったなぁ〜♪とさっきまでこぼれていた不満が満足に変わる瞬間です。

15:30
道の駅 宇陀路室生に戻ってきました。

到着した頃はもう夕日の差し込む時間になっていました。
道の駅の横にファーマーズマーケット「こもれび市場」があります。
16:00閉店なのでギリギリ間に合いましたが、室生茶のほうじ茶や室生で採取された純粋はちみつなど特産品があってオススメです♪

道の駅 宇陀路室生では奈良の名産品"あすかルビー”のひとくち羊羹を買ってみました。
サイクリングの補給食にちょうど良さそうなサイズです。

17:30
奈良サイクリングへ行く際の夕食は京都府木津川市にある24号線沿いの「レストランやましろ」がお決まりです。

とんかつ定食とフライ定食
安定の美味しさ。通し営業されているのでこの辺りを通られる方はオススメです。

さいごに...
第34弾となる旅とモールトンは盛りだくさんの内容となり、物凄い情報量でした。
室生龍穴神社に室生寺、龍鎮神社とこれまでで一番ボリュームのある旅でした。
この中のひとつだけでも充分な体験だと思いますが、一日に入ってくる情報量が多いとどんどんどんどん上書きされていく感覚になって勿体無く思うので、魅力的な地域は巡るのが難しいと言いますか、時間配分も難しくて気持ちも慌てますし、本当に悩ましいですね。
それでも奈良は小さな範囲でも神秘的で走りごたえがあると改めて感じました。
奥深くてワクワクします。
今回お参りした「室生龍穴神社」「室生寺」「龍鎮神社」は龍神信仰の"龍巡り"とされるところだったようで、辰年にモールトンで龍巡りなんて出来たら素敵ですね。
奈良県の宇陀地域オススメです。皆さんもぜひ🎵

🌲今回走行したサイクリングマップは、無料アプリ「Ride with GPS」で作成していています。どなたでも共有できるマップですので参考にしていただけると嬉しいです♪