2024年1月に行った日帰りサイクリングの様子をご紹介します。
季節も更新のタイミングもかなりズレていますが、blogに書き留めておこうと思います。
まだまだ寒さの厳しい1月下旬ですが、季節関係なく輪行に行きたいといつも思っているのでので、今年も冬季休暇のタイミングで輪行してきました。
行き先は、香川県 "本島(ほんじま)" です。
冬でも比較的穏やかで過ごしやすい瀬戸内ですが、
本島はその瀬戸内に浮かぶ大小28の島々からなる塩飽(しわく)諸島のひとつです。
周囲16.4kmの小さな島で、信長、秀吉、家康の天下統一に貢献した塩飽水軍の本拠地として栄えた島なんだそうですが、そういった歴史云々で訪れたというよりは、
穏やかそうな島と気になる山寺をモールトンでのんびり、ゆったりと走りたくて選びました。新幹線に特急列車、フェリーと3つの公共機関を利用する日帰り輪行の様子です。
06:00
Moku2+4西京極本店を出発。
06:20
京都駅八条口に到着。
モールトンを収納します。
06:50
券売機で切符を買って、06:55発の新幹線で岡山に向かいます。
1時間で岡山駅に到着します。
07:55
岡山駅へ到着。
ここからJRに乗り換えて、児島駅へ向かいます。
当初はこのまま 08:09発の普通列車に乗る予定でしたが、
フェリーの出航時刻まで1時間半も余裕があったので、しばし小会議。
ちなみに児島駅までは30分で到着します。
岡山駅で駅弁を買えず悔やんでいたこともあって、これぞチャンスと駅員さんを探して
「車内で駅弁が食べられる児島行きの列車ってありますか?」
と尋ねたら、「駅弁が食べられる特急だったら、08:24発ですね」と教えてもらい、
充分間に合う時間だったので安心して駅弁を買いに行きました。
たくさん種類があって迷いましたがこれも至福の時間。
08:24
高松行のマリンライナーに乗車。
綺麗な列車です。
平日だったので自由席も空いていたため最後尾の座席に一台ずつ置きました。
横向きに置くと座席から通路に少しだけはみ出していたのでモールトンを縦にして置きました。
08:45
乗り込んで早々に駅弁を食べる!
特急列車でご当地の駅弁を堪能できるなんて優雅な朝食です。
『桃太郎あなごめし』
桃を形取った器です。あなご、最高です。あさりのしぐれ煮も入ってます。
パッケージに惹かれた”せとうち日和”。
岡山県産の食材が使われているこちらのお弁当、
パッケージに『2015年に山陽新幹線全線開業40周年を記念して発売されたお弁当』
と書かれてありました。期間限定なのかなと思いきや、ロングセラー駅弁でした。
08:47
児島駅に到着。
国産デニム発祥の地として有名な岡山県倉敷市の児島。
ただただ通り過ぎただけの駅でしたが、改札口のフラップドア部分がデニムになっていたり、デニムをテーマにしたデザインのものが駅構内に散りばめられていました。
輪行でデニムを買いに行くのも楽しそうですね。
本島行きフェリーは、輪行袋に収納しないと自転車の持ち込みができないので、
モールトンは組み立てずに担いで港まで移動します。
09:00
児島観光港に到着。
児島駅から300mほどですが、そこそこの体力を使います。
09:30発
本島行のフェリーに乗り込みます。
船内の空いたスペースに重ねて置きました。
瀬戸大橋の下をくぐります。
自動車や鉄道からは眺められない景色です。
本州(岡山県)と四国(香川県)を10の橋で結んでいる瀬戸大橋ですが、
上は自動車、下は鉄道と上下二層構造の世界最大級の橋梁群です。
ずっとずっとその先も橋が続いていて、その規模の大きさに感嘆しました。
9:50
本島へ到着。
猛スピードで突き進んでいたので、30分の乗船予定が20分で到着しました。
外のデッキに居ましたが、立つことも椅子に座ることも出来ないほど迫力満点(笑)。
最後までしゃがんでいました。
港のすぐそばで組み立てました。
穏やかな海が落ち着きます。1月末ですが日差しも柔らかく気持ちが良かったです。
組み立て完了。
瀬戸大橋をバックに。
児島港で貰ったマップ。
いつもモールトンで旅をする時は、
現地点検索以外はインターネットは繋がないようにしています。
事前にRide with GPSで作成したマップと観光マップを参考に本島を巡ります。
本島にも観光マップがありました。
本島港のそば『本島パークセンター』内にある観光案内所に置いてありました。
10:40
サイクリングスタート。
開始早々に出会いました。
10:50
早速、お目当ての山寺へ向かいます。
初っ端から上りです。
最高24%の勾配があって、さすがに途中でモールトンを押しました。
そして1月末なのに上着を脱ぎました。
坂、キツイ...。
11:00
『大本山妙智山正覚院観音寺』に到着。
約1300年前の奈良時代(724〜729年)に開創され、
京都の醍醐寺を総本山とした真言宗醍醐派で、神仏習合の名残がある寺院です。
お参りしがいのある参道です。
11:10
東大寺の大仏造立に尽力された行基菩薩による創設と伝わるこちらの山寺。
突然ですが、Moku2+4の店主が『基行』という名前でして...
畏れ多いですが、ひっくり返すと同じ名前になるということもあって
塩飽諸島の中から優先して本島を選んだのは
行基菩薩が創健された寺院を見つけたからというのが大きな理由でした。
入り口の金剛力士像。
凛々しさの中に親しみやすさを感じる仁王さまでした。
11:30
正覚院を後にします。
12:00
麓の港町を上っていくと、程なくして気持ちの良い海沿いの道に出てきます。
時折、静かな海から大型船の汽笛の音。落ち着きます。
本当に気持ちの良い道です。ここオススメです。
距離も長くないので、のんびりサイクリングにぴったりです。
『ゆるぎ岩観音』
通りすがりに突然現れた巨石。観音様が彫られていました。
歯痛の神様として親しまれているそうですが、
観音様が頬に手を付いているその姿から名付けられたそうです。
ここからも瀬戸大橋が見えます。
12:50
『笠島集落』
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている集落です。
このあたりに美味しそうなパン屋さんがあったはずと探してみたのですが見つからず...。
インターネットで検索しました。
すると、週末だけの営業で12月〜3月は冬季休業されていました。
飲食店は何となくでしか確認していなかったので、
営業日まで確認しておらず...致し方なし。
この時点で13時を過ぎていたので、空腹で頭がボーとしてきました。
本島には美味しそうな海鮮グルメが愉しめるお店が幾つかあるようなんですが、
冬季休業されるところも多いようなので、サイクリングされる際は、
是非とも事前にチェックされることをお勧めします。
13:40
本島港に帰ってきました。
道中でも営業してる飲食店が見つけられず...ガス欠寸前。
肩を落としながら、唯一の望みであるスタート時にはまだ営業されていなかった海辺の観光案内所内にある『HONJIMASTAND』に行ってみると営業されていました。 腹ペコ中の救い!
普段は16:30まで営業されているところ、この日は14:00で営業終了との張り紙が...。
この時すでに13:40。
慌てて入店して、なんとかホットドックの持ち帰りなら用意できるとのことでお願いしました。待っている間にメニューを見ていると、お魚のカレーだったりお魚定食など、
どれも凄く美味しそうだったので次に来ることがあれば色々食べてみたいです。
肝心のホットドック。
スパイシーでプリップリのソーセージ。
細かく膝んだフライドオニオンがアクセントになってて美味しい〜!
感謝ーーー!ポテトフライもサクサク。これで完全復活!
いつもモールトンで旅をするときは、気持ちの良い場所があれば
途中で1時間ぐらいぼーっとしたり何もしない時間があったりするので、
今回も夕方ぐらいまでは島でのんびりするだろうと、
行きの児島港で往復切符を買っていました。
ちなみにお昼以降に出航される児島行きのフェリーは16:45発と、19:10発の2本なので、16:45発まで思う存分、本島までのんびり出来ます。
暖かい日差しの中、穏やかな海を眺めながら、美味しいホットドックと本島の雰囲気を味わっていたところに海に浮かぶ一隻のフェリー。
港の風景としてぼんやりと眺めていたら、そのフェリーにポツポツとお客さんが乗り込んでいって、その数が増えてきたところで、んん?あのフェリーはどこに行くんだろう?
もうすぐ出航時間?と気になってインターネットで調べたところ、
14:15発の丸亀行きと判明。
あの14:15発 丸亀行きに乗ったら早く帰れるけど…児島行きの切符が無駄になるからあれには乗れないよな…とホットドックを頬張りながら、何度も頭の中で呟いている内に、
もったいないけどあの丸亀行きに乗って、丸亀駅から岡山駅のパターンも有りかも!
と考えが変わってきて、ちょうどホットドックも食べ終えたところで、
急いで船員さんに駆け寄って「自転車はBagに入れないと船に乗れないですか」と
尋ねたら、「そうです」と返されて、「この船に乗りたいんですけど、
自転車を分解してたら間に合いそうになくて...とりあえず袋に入っていれば問題ないですか」と尋ねると「とりあえず袋に入っていれば大丈夫です」と言われたので、
急いで切符を買いに走り、出航ギリギリに乗り込みました。
14:35
丸亀港に到着。
丸亀といえば、うどん!
フェリーの中で、せっかくだからうどんを食べよう!という話になって
船員さんに近場のうどん屋さんを聞いてみたところ
今日はもうこの時間はどこも閉まってと思うけど...と話をされていて
「え?!この時間でもう閉まってるんですか?」と聞き直したら
どこも早朝から営業しているから昼過ぎには終わってるところが多いとのこと。
今の今まで知らなんだ...うどん県ルールがあることを...覚えとこ。
丸亀港からJR丸亀駅まで地図上では550mなんですが
本場の讃岐うどんが食べられる機会なんてそうそうないので
もしかすると営業しているうどん屋さんがあるかもしれないと
その辺を検索してみましたがやはり営業してませんでした...残念。
諦めて550m先のJR丸亀駅へ向かいます。
2024年に続き2025年も実施されています。
児島港 ⇄ 本島港
丸亀港 ⇄ 本島港
どちらからもアクセスできて、土日祝は増便されるようですので、
タイミングが合えば是非!
15:10
丸亀駅到着
モールトンを袋に収納します。
15:29
岡山行きの特急しおかぜに乗車。
特急しおかぜの車窓から。
今朝、フェリーから見上げた瀬戸大橋を今度は電車で渡ります。
近くから見ても立派な橋です。
16:11
岡山駅に到着
16:35
とにかく輪行はお腹が減ります。
讃岐うどんが食べられなかったこともあって岡山駅構内で蕎麦を食べました。
そして岡山駅の構内でちゃっかりお土産も買いました。
16:52後部座席のつもりで乗り込んだら、逆の最前列の座席だったので
モールトンを縦にして足元に置きました。
17:53
京都に到着。
まだ18時前です。
このまま家路に着くのも何だかもったいない気持ちと
輪行の余韻にもまだまだ浸りたかったので、新幹線中央改札口を出たすぐ側に
2023年10月にオープンした祇園辻利の新ブランド『ぶぶる』でひと休みしました。 辻利ならではのお茶をベースにたドリンクが豊富で、ティーラテやティーシェイク、
お茶ベースの珍しいハーブティーもありました。
普段なら早く通り過ぎてしまいたい混雑してる京都駅も輪行のときは気分が違います。
『ぶぶる』でひと休みしていたら、ちょうど人の流れが少し落ち着いて
551蓬莱の前を通ったらいつもより空いている...チャンス!
これまで輪行帰りに長蛇の列&売り切れなど、ことごとく買えなかった551。
念願叶いました。
この551も普段は買わないのに輪行になると気分が変わる不思議。
18:45
輪行の旅で早く京都駅に着いた時は、いつも離れがたい気持ちになります。
左には岡山駅で買ったお土産、右には551の蓬莱、そしてモールトン。
嬉しくてハンドルに掛けてみたり。
でもこの持ち方は危ないので後ろに括り付けて帰りました。
買い過ぎた551蓬莱。
久しぶりに食べましたが、豚まん半分で満足する年齢になってしまいました(悲)。
普段なら買わない価格帯のものでしたが、気分か上がって贅沢しました。
シンプルで忘れられない美味しさ。また岡山駅に行く機会あれば購入したいです。
当日のアクセスはこんな感じ。
(京都駅からフェリー乗り場までは1時間40分)
往路:京都駅 → 岡山駅(新幹線) → 児島駅(特急南風) → 本島(フェリー)
復路:本島(フェリー) → 丸亀駅(特急しおかぜ) → 岡山駅(新幹線) → 京都駅
島の旅は、ここに行きたい・見たいという目的ではなくて、とりあえず日帰り輪行ができそうな島があるから入ってみようという感じで行っています。
今日はモールトンでどんなことを体験できるんだろうとワクワクしながらいつも家を出ます。
面倒でずっしりと重みを感じるモールトンの輪行ですが、その大変さを乗り越えると面白さに変わっていきます。
それはモールトンで輪行するのが好きということもありますが、駅のホームでえっちらおっちら担ぎながら「こんなしんどい思いして何やってんだろう…」と可笑しくなる時もありますが、相棒感が強いのであのどっしりとした重量感も、
自転車の組み立て&収納の面倒なところも、ひっくるめてクセになります。
余韻の持続性も高いので、よし!次はどこへ行こう!となるんです。
モールトンで輪行すると漏れなくそうなってます。
・輪行はとてもフレキシブル
今回は、新幹線に特急列車、フェリーと3つの公共機関を利用する日帰り輪行でしたが、
行きと帰りのプランを急遽変更しました。
何にも捉われず自由にプランを変えられるのも輪行の魅力です。
・走行距離を伸ばすよりも、その土地の空気や風土を味わいたい
モールトンの輪行を重ねるに連れて、サイクリングが目的というよりも私たちはモールトンでその土地土地の空気や風土を味わいに行くのが好きなんだということに気がついて、そこに面白味を感じているので短い距離でも満足度が高く、走行距離が全く気にならなくなってきました。
大袈裟かもしれませんが、特に離島を訪れる島旅は、”人生を一度立ち止まって振り返り、
見つめ直す時間”になってるのかなと思います。
離島の日常は時間の流れ方が全く違うと感じます。だから島に行きたくなるのかなと。
振り返ると見つめ直す時間になっていたという感じで、
モールトンのゆったりとした速度感が本当に丁度良いんですね。
それはモールトンのサスペンションが、そういった “ゆったりとした気持ちにさせてくれる” ってことなんですが、ハイスピードな毎日から一旦離れて、このような旅もあっていいじゃないかと思います。
・日本のインフラは本当に凄い!
列車やバス、フェリーなどの交通網に加えて、県道や舗装されている林道が隅々まで張り巡らされている日本のインフラは本当に凄いと思います。世界一だと思っています。
さらにコンビニやスーパー、道の駅もたくさんあって食を調達するのも比較的簡単です。
安心して自由にサイクリングできる国ってそうそうないと思います。
それでも離島や山間部の過疎化はますます進んでいくと思いますし、列車の廃線だったりフェリーの本数が減ったりして、いつか行ってみたい、いつか行きたいと思っているだけでは、いざ行こうと思った時に気軽に行けないなんてこともあり得るので、
旅については行きたいと思った時がタイミングだと思います。
限りのある人生、いつ何が起こるか分からないので、いろいろと制限のある中でも工夫してモールトンと一緒に楽しむ時間を積み重ねていければなと思います。
今回の本島輪行旅も相変わらずバッタバタでしたが、島は終始穏やかでのんびり。
念願の『特急列車で駅弁を食べる』も叶いました。京都駅では551蓬莱でお買い物もできて、次から次へとシチュエーションが変わる充実した1日でした。
長々と書き綴ってしまいましたが、モールトンの輪行にご興味を持たれている方は
ぜひ一度二度三度とチャレンジしていただきたいなと思います。
ハマれば世界が広がると思います。
是非どうぞ~♪