2014-09-01

Alex Moulton AM-Double Pylon 再塗装(クリッパーブルー) &オーバーホール #2 完成編。

再塗装がこんな感じで出来上がり。(#1はこちら)
ダブルパイロンは、他のモデルに比べて細かいパーツも塗装しなければなりませんね。

あらかじめ洗浄しておいたボルトやグリスアップしてオーバーホールしたベアリングなどの細かパーツ。
さて、組み立ていきます。
まずは、リアピボットフレクシターを圧入します。
ただ単に上から圧入していくだけでは、フレクシターが開いて外径が大きくなり押し込む事が出来ないので、開かないように気を付けながら製作した専用工具で圧入します。


次はフロントサスペンションを組み付けていきます。

再塗装したフレクシターを手で取り付けていきますが、これもただ単に取り付けただけでは、フロントフォーク位置がフレーム中心よりズレてしまうので、錠盤でフレーム中心に対するフロントフォーク位置を確認しながら取り付けてきます。

再塗装したクリッパーブルーがいい感じですね。

今回の作業の流れで、フロントフォークも交換しました。左)交換前、右)交換後。

納品当初のフレームは、ブレーキブリッヂの位置が低く、タイヤが干渉寸前だったんですよね。
取りあえずは問題無いので、そのまま乗ってもらっていましたが、オーバーホールのタイミングで交換しようと打ち合わせをしていました。

フォークを交換しなくてもタイヤを変更すれば、クリアランスが確保出来る物もあるんですが、さすがに「これはないやろう〜。クリアランスが全然ないやん」とモールトン社に伝え、ブレーキブリッヂ位置を少し上にしたフロントフォークを手配してもらいました。
初期のダブルパイロンは問題無かったのに、いつからかブレーキ位置が変わっていたんですよね。

で、変更した理由を聞いて何でやねん!
ブレーキ装着時に、ブレーキの取付ナットがフレーム(フレクシター)に干渉して締めにくいからというものでした。

そんなんどうにか考えて対処するから、タイヤのクリアランスの方を優先して欲しかったですね。

自分でロウ付けしてブレーキ位置を変更する事も出来るんですが、さすがに何と言うんでしょうか、納得いかなかったんでね。

ブレーキに付属するブレーキ取付用ナットは使えないので、新たに旋盤でスペーサーを製作します。


左)一般的に使用するブレーキナット。
右)製作したスペーサー。
一般的に使われているブレーキナットを使うとこんな感じでフレーム(画面手前のフレクシター)に干渉します。

 製作したスペーサーを使用して、

こんな感じで取付けました。
手前に伸びてる針金みたいなステーは、次回取り付けるハブダイナモライトの部品ですが、本体はまだでもステーだけは加工するブレーキスペーサーに関わってくるので、このタイミングで取り付けました。

再塗装した珍しいこの色は、1959〜1960年のMini純正色として使われていた「クリッパーブルー」です。

雰囲気がなんだか柔らかくなりましたね。
愛車のClassic MiniにClassic Mini純正色「クリッパーブルー」のMoultonを積むなんて粋ですね。
見てても、乗っても楽しいモールトン。

綺麗になっても、またブルベやトライアスロンで使い倒して楽しまれると思うんですが、なんだか本当にいいですね。