何回かに分けて各部をオーバーホールしているMoulton deluxe。 (前回のオーバーホールはこちら。#1、#2、#3、#4 ) 今回は、内装ハブとフロントハブのオーバーホールと リムを純正の鉄リムからアルミ製リムに交換、 そしてボトムブラケットのオーバーホールです。 |
ボトムブラケットのスピンドルの玉受けがこんな感じで摩耗していたので交換。 |
ここからが少々手間の掛かるハブのオーバーホールとホイール組み直し作業です。
(左)内装ハブの中身を取り出すと、ほぼグリスが切れていて薄らと錆びています。
(右)スポークを緩めてハブボディを取り外します。
いよいよ、内装ギヤを分解していきます。 画像にあるこの段階(内装ギヤを取り出して、クリーニング) でオーバーホール完了という事もあるそうですが、 それだけではオーバーホールと言えないような…。 モールトンの中でもオーバーホールという単語はよく聞きますが、 一口にオーバーホールと言っても作業内容は本当に様々で、 結局のところ、どこまでがオーバーホールというのは 作業するメカニックの価値観での判断になると思います。 例えばモールトンでいうと、フロントサスペンションを分解するのに、 ヘッドベアリングを取り付けたまま、フロントフォークは取り外さずに、 下からサブフォークやスプリングなどのパーツを取り外して、 ウェスで汚れを拭いて組み立てる。というのも サスペンションのオーバーホールと言えるかもしれませんが、 ヘッドベアリングを取り外して、フロントフォークを抜いて洗浄しないと、 内部のグリスや錆などを綺麗に取り除けないと思いますね。 こういう部分はユーザーさんには見えないので、 「オーバーホールしましたよ」と言われれば、 そうなんだと判断するしかないでしょうね。 実際に車のエンジンのオーバーホールでも内容は本当にまちまちで、 どこまで作業するかはショップの判断ですしね。 きっちり細かいところまで洗浄して、各部を計測して組み付けるショップもあれば、 大雑把に汚れを落として、大まかに組み立てるショップもありますしね。 外観から見えないところなので、手を抜こうと思えばいくらでも省けます。 近頃はオーバーホールやレストアというような単語が一人歩きしてるような気がします。 最近ではブログなどもあるので、その記事の内容からもある程度は判断できますし、 作業場の状態や工具の使い方でも仕事の内容はある程度判断できるでしょうね。 私が時々閲覧しているMini Shopのブログでも、 このショップは丁寧に仕事されているんだなとか、 何となくこのショップはどうなんだろうな?とか考えながら見ています。 |
このように全部分解して綺麗に洗浄し、再度組み直す事が オーバーホールだと思っています。 |
内装ハブボディもきっちり洗浄します。 |
左)オーバーホール前、右)オーバーホール後
リムも組み替えたので、ホイールが綺麗になりました。 |
いつものように山岳コースを含む約40kmの道のりで帰宅されました。
このモールトンも何回かに分けて、きっちりと使えるようなモールトンにするために、レストアのようなオーバーホールをしてきましたが、今回でひとまず完成です。
それにしても毎回思いますが、3段しかギヤがないのに、山岳なんておそるべし…。
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