2012-03-24

AM-New Series (Maroon)の駆動系メンテナンス

納車してからちょうど1年目になるこのNew Seriws。パンク修理で来店されましたが、タイヤの状態を見ると結構すり減っていたので走行距離を尋ねると納車してから6600kmと言われたので納得。タイヤの摩耗によるパンクでした。走行距離も7000km手前まできてるので、ハブやチェーン、クランクセットなど駆動系のオーバーホールを含めてお預かりする事になりました。
スプロケットは頑固な汚れで落ちにくそうです。
左)洗浄前、右)洗浄後
左)ハブも汚れもひどいので全部分解して、ホイール丸ごと洗います。
右)New Seriesなどフレクシターを採用している20inchシリーズのフロントハブは、シールドベアリングという構造を採用していて、シール部分をめくって簡単にグリスアップすることが出来ますが、汚れがひどい場合は汚れたグリスの上から新しいグリスを継ぎ足すよりも、きちんとベアリングを取り外して洗った方がベストです。でもベアリングを取り外してしまうとまた圧入し直さないといけないので少し手間が掛かります。最近は何でも簡単に解決してしまうことが多いような気がしますが、それもどうかな〜なんて思います・・・。

左)リアハブのオーバーホール前。右)オーバーホール後

リアディレイラーもいつものようにバラバラにしますが、汚れ具合によって分解内容を変えています。車のエンジンに比べれば部品点数が少ないので簡単に出来るように見えますが、このように一つ一つ分解して洗うのも想像以上に手間が掛かります。

この前、いつもMINIでお世話になっているNARITA-GARAGE(大阪)さんとの会話で「最近のレストアいうても、
錆がひどいからってフロアーパネル(足元の鉄板)取って、溶接し直して板金するなんて手間の掛かること、みんなやらへんようになってきてる。手間が掛かるから板金塗装屋も嫌なんやで。だから職人も育たへんし仕舞に職人も居なくなる。昔はみんな普通にしてたのになぁ」。
神奈川県在住の顧客さんとの会話でも「手間の掛かってる物や作業は昔に比べて本当に減りましたね。良い物にも中々出会えませんしね。どんどん手作業が減ってきて見せかけだけの手作業ばっかりが増えてきてね。」
効率ばかりに重きを置く昨今・・・本当にこれで良いのかな?
左)リアディレイラーのオーバーホール前。右)オーバーホール後
クランクセットも取り外して洗浄し、ボトムブラケットのベアリングの状態も確認します。
完成です。サドルやバーテープのやれ加減も良い感じに雰囲気が出てきています。今まで同種同仕様で組み立てた事もありますが、それぞれの自転車からその人の使い方や雰囲気がジワッと出てくるので同じ自転車は一台も無いんですよね使用感から出る個性は真似出来ませんね。
まだまだ距離が延びそうなオーナーです。
大阪まで70kmの道のりを自走で帰られました。今回は車両を取りに来られたので片道70kmですが、簡単な調整などで自走来店された時は往復140kmです。凄いですよね。


こちらのオーナー、還暦を過ぎられているんですが、Mokuのサイトで新しいコンテンツ「Moku Over 60〜キラッと光る第2の人生〜」を新設しました。
今回のオーナーはまだこちらのページでご紹介できていませんが、少しずつMokuで出会ったアクティビティなオーバー60の皆さんをご紹介していきたいと思っています。