2021-10-29

Moku2+4 Original SST - Safari Green(サファリグリーン / 別注カラー)

Moku2+4オリジナル「Moulton SST Safari Green」が完成しました。

SSTのフレームキットをベースに組み上げました。
このSafari Greenは、
AMシリーズが作られているBradford-on-Avonのファクトリーで塗装された別注品です。

クラシカルな雰囲気を意識してシルバーとスキン(肌色)のパーツでまとめました。
価格はお問い合わせください。

クラシカルなデザインの日本メーカー "スギノ"製 クランクセット。

クランクセットと同じく日本メーカーの 三ヶ島製作所 
シルバン ツーリング ネクスト Ezy ペダル(made in Japan)

前後のディレイラーは、シルバーポリッシュ仕上げのマイクロシフト社製。

転がりの"キモ"となる前後ホイールハブには、Shimano105を選択。
コストパフォーマンスと性能は、国産メーカーのShimanoが随一で日本車と同じですね。

Shimano以外からも様々なメーカーのハブや完組ホイールがありますが、
Moku2+4では、カップ&コーン式ベアリングに今も尚こだわり続ける
Shimanoとカンパニョーロを選択することが多いです。
カップ&コーン式ベアリングのハブは細かく調整ができ、
メンテナンスがし易いのが特徴です。
細かく調整できるということは、調整次第で転がり抵抗(回転)も大きく変わります。

優れた構造であったとしても調整は必要不可欠です。
メーカーから届いた新品のShimanoとカンパニョーロのハブであっても、
個体差が大きいため、グリスの量を確認して調整し直すことは必須です。
こうすることでハブの滑らかさが格段に変わります。
この調整には技術に加えて、気持ちよく転がるところを見極める感覚も必要ですね。

今までShimanoに玉あたりにの調整について幾度と聞いていますが、
Shimanoの答えは
「カップ&コーンベアリング式のハブの調整については、
ほんの少しだけ"ガタ"を出して調整します。
クイックシャフトを締めるとその"ガタ"が無くなりスムーズに転がるところがベストです。」とのこと。
この"ガタ"は感覚的に「0.05mm - 0.2mm」ぐらいかなと思っています。
ハブのグレードによってはこの"ガタ"の数値は変わってきます。
Dura-Ace7700、ULTEGRA 6500時代のハブも新品時から少しガタを出して
出荷されていました。

なぜハブの調整についてShimanoに幾度となく同じことを尋ねるかというと、
Shimanoの考え方が時代によって変わっていないかを確認するためです。

ここからは少し専門的になりますが、
ハブ軸径がM10シャフトより太い軸のハブや、デジタルアジャスト等のハブについては、
上記の調整方法とは異なります。

ロードバイクに比べて小径車は、
ホイールの慣性が少ない上に、ホイールの転がりを体感しやすい車種なので、
ハブの調整はとても大切です。

SSTのリアフレームエンド幅は135mm、
Shimano 105ハブのエンド幅は130mm。
5mmの差があります。

Shimano 105のハブを135mm幅のSSTに取り付けるには、
ハブの寸法を5mm増す改造が必要です。
改造ぜず強引にフレームにセットすることもできますが、
基本的にそのようなことはしません。

ハブを135mmに変更するためのパーツを製作します。

ハンドルステムは突き出しの短いMade in Japanの日東製を選択しました。

クラシカルな雰囲気のシフトレバー(左)とブレーキレバー(右)。

昨今のドロップハンドル用シフトレバーは、
デュアルコントロールレバー(シフトレバーとブレーキレバーが一体構造になっている)
が主流ですが、このシフトレバー(ウィングシフター)は想像していた以上に操作し易く、見た目もクラシカルで個性的です。

 ブレーキとシフトケーブルは、ヴィンテージケーブル(クリアー)を選択。

革バーテープは、ブレーキレバーブラケットのスキン色を引き立たせるため
フレームと同系色のグリーンを選択しました。

サドルはブレーキレバーブラケットのスキン色に合わせて、B-17 Adegdを選択。


            ここからは組み立て編を少し紹介。

リアサスペンションの動きを調整(リアフォークピボットの加工やシム調整)ができたら、ボトムブラケットハンガーとヘッドチューブの下処理をします。
その次にフレームのアライメント点検をします。

リアエンド幅とリアホイールをセットした時の傾き具合(平行度)を点検。

フロントフォークを再分解し、サスペンションスプリングや各パーツのグリスを洗い流します。

英国で組み立てられ納品されたフロントフォークのサスペンションは、
滑らかに動かず、本来干渉してはいけないパーツ同士が干渉していることが殆どです。
そのため各部パーツを加工するためにグリスを一旦洗い流します。
フロントサスペンションはパーツの集合体なので、
それぞれの精度を上げることで、サスペンションの動きが格段に変わります。
全てはモールトンのサスペンションが気持ち良くスムーズに動くように施す作業です。

サスペンションピストンを加工してるところ。
その他リーディングリンクプレートも加工します。

フロントフォークのアライメント点検をし、滑からに動くように組み立てていきます。

まだまだ作業画像は紹介しきれていませんが、モールトン本来の乗り味を出していくため、その他諸々注意深く作業していきます。