当時の純正オプション 風除け(フェアリング)を取り付けるとこんな感じに。 仮面ライダーみたいですね。 |
風除けひとつ取っても、こだわった作りをしています。
フェアリング専用のフレームです。
下側はフロントキャリアにも見えますが、フロントキャリアとしては使えません。
フェアリング専用のフレームです。
下側はフロントキャリアにも見えますが、フロントキャリアとしては使えません。
「JUBILEE」は1962年にモールトンの製造が開始されてから
25周年を記念して作られたモデルです。
25周年を記念して作られたモデルです。
1987年から数年間だけ販売されていました。
めちゃめちゃ握りやすいスポンジグリップ。 アメリカ製です。 |
メインコンポーネントはShimanoとSUNTOUR(サンツアー)のミックスです。
フロントチェーンリングは、楕円リングの先駆け Shimano biopaceですが、
楕円というより五角形に近い感じです。
ここからは作業内容です。 このフレームは30年間一度も分解されていません。 |
グリスも完全に固まっていて、性能はゼロに等しいです。
フロントフォークから固まった状態のグリスと
洗い油に錆が混ざった茶色の液体がどんどん出てきます。
右画像は、固形化したグリスや錆がほぼ出終わったところです。
右画像の黒い塊が古いグリスの残骸です。
外見では想像できないほど次から次にゴロゴロとグリスや錆が出てくるので
カメラに収めるのを忘れていました。
一度も分解されずに30年も経過しているんですから、まぁこんなもんでしょう。
フロントフォークのアライメント点検と修正。
左右のエンド位置がズレていたので少しだけ削って修正します。 |
左)修正前のズレ、右)修正後。
サスペンションピストンは新品に交換します。 交換の際に動きを良くするためにピストン高を少し短く加工します。 |
リアフォークの動きを改善する方法は幾つかあります。
ピボットスピンドルは、リアサスペンションの動きに大きく関わってくる部品ですが、
ハンドメイド故にフレームの個体差は必ずあります。
スピンドル長のコンマ0.数mmの差でスムーズに動くか、そうでないかが変わってきます。
そのため個体差のあるフレームに合わせて、
長さの違うスピンドルを常時これぐらいは用意しています。
現行モデルも然り、必ずフレームには個体差があるため、
全てのモールトンにこの作業は欠かせません。
左)ピボット幅 59.60mmに対して、右)スピンドル長は59.61mm。
スピンドルが0.01mm長いだけですが、
この僅かな誤差でリアフォークの動きが渋くなります。
0.05mm削りました。
他にも銅製のピボットブッシュを取り外してフレーム側の塗装を落とし、
ピボット幅を狭くする方法もありますが、
取り外したピボットブッシュはあまり再使用したくないので、
基本的にこの方法はあまり選択しないようにしています。
銅は鉄に比べて柔らかいので、
圧入して何度も打ち変える材質ではありません。
たった0.05mm削っただけですが、これで動きがスムーズになりました。
フレームアライメントの点検。 |
キングピン(フレーム分割部分)を分解し固まったグリス洗い流します。
バリのある箇所は滑らかにしておきます。
シートチューブの錆も軽く磨いて取り除きます。
この他、前後ハブやディレイラー等のコンポーネントもオーバーホールしましたが、
これがまた良く走る。
全ての動きがスムーズで心地良いです。
とにかくしっかり洗って調整して組み直せば、今でも現役バリバリで活躍してくれます。
めっちゃくちゃ楽しいです。
ちゃんと楽しい理由がありまして、それはハンドル形状とギヤ比ですね。
そのうちハンドルを製品化しようと妄想中です。
後日詳しく説明できればと思います。
このようにモールトンを使い分けて乗ることは、
モールトン専門ショップとして、
それぞれの特徴や乗り味など、
お客さんに少しでもフィードバックをしていければと思っています。