2020-04-06

Moulton AM-7(1984y) オーバーホール 販売車両詳細

現在販売中のAM-7 1984年製(second-hand/中古品)のオーバーホール詳細です。
英国ワンオーナー(当時購入レシート、そのほか記録簿有り)で、
フルオリジナル(ペダル除く)の貴重な車両です。
価格はお問い合わせください。


 1984年に製造で、購入されたのは1985年ですね

当時からのメンテナンス記録です。

当時の純正リアラージキャリアが付いています。

コンポーネントも当時のままの純正パーツです。

当時の純正シフトレバーとレバーマウント。
このシフトマウント、見た目はいたってシンプルですが、
スプリング周辺の機構が見た目以上によく考えられているので面白いです。
ある顧客さんにこの機構を説明すると、
こんな機構があると余計に分解したくなりますね」と話されていました。
当時はまだケーブルを分割する「ジョイントスクリュー」が使われていなかったため、
フレームを分解する際はシフトマウントごと取り外す仕組みになっています。

取り外したシフトマウントはどうなるかというと、、、
シートチューブ側のフレームに「シフトマウント専用ネジ穴」がロウ付けされており、
そこにはめ込む仕組みとなっています。
きちんと収める場所が考えられているため、
マウントが宙ぶらりんになることはありません。

このような感じで分割します。
素晴らしい!
ハンドルは少し短めでクラシカルなフラットバー。
ハンドルステム固定ボルトにはスナップリングが収まる溝が加工されています。

サドルは結構くたびれていて個人的にはこのままの雰囲気が好きなのですが、
このサドルはさすがに嫌だ!という方には画像右のサドルに交換します。

 1984年製AM-7と1974年製Austin。
こんな感じの組み合わせで2+4スタイルを楽しむのも最高ですね。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ここからはフレームの作業編です。

コンポーネントを取り外してフレームの状態にします。

英国から送られてきた状態は、
先で説明しました「シフトマント専用ボルト穴」の受けにあたる部分が固着して
全く動きませんでした。
ここはこの車両の特徴かつ重要な部分なので、
今後もきちんと使えるように固着部分を取り外す作業を行います。
まずはドリルで固着したボルトを潰します。
ドリルでボルトを潰し貫通させ、少しづつ貫通穴を大きくします。
この際、貫通穴を大きく空けすぎると元のネジ山も潰してしまうので
ここは慎重に行います。
次にボルトの残骸を取り除き、ネジ山を痛めない程度に修正します。
固着したボルトを取り除くことが出来ました。
ドリルで潰したボルトをワンオフで製作しました。
この車両の魅力でもある「フレーム分割時にシフトマントを移動する作業」
この作業が出来なくなると何かとても寂しいので、
どうにか直したいという気持ちでした。
再現できて良かったです。

リアフォークピボットブッシュも打ち直します。

リアフォークの動きの調整が出来たら、アライメントテーブルにセットします。
リアエンドのアライメントの点検。


フロントフォークもアライメント点検。
アライメント点検をすると、左右エンドで1mm弱ズレています。
このままではホイールを取り付けると傾いてしまいます。
エンドのズレを削って修正します。
再度アライメント確認します。
左右のズレが無くなりました。

その他、基本的な前後サスペンションのオーバーホールに始まり、
ハンドル周りからコンポーネントパーツのオーバーホール、
ホイール調整、ワイヤー交換など一式行って完成です。