Moku2+4オリジナル「Moulton SST-Bugatti Blue」が完成しました。
SSTのフレームキットをベースに組み上げました。
このBugatti Blueは、AMシリーズが作られているBradford-on-Avonのファクトリーで
塗装された別注品です。
ブルーにホワイトのパーツでアクセントを入れて、
クランクセットはクラシカルなデザインの日本メーカーSUGINOに、
STRONGLIGHTチェーンリングもクラシカルなシルバーを合わせました。
前後ディレイラーはマイクロシフト製。
前後ホイールハブは、信頼性と転がりが滑らかなShimano 105 R7000を組んでいます。
SSTのリアフレーム幅に合うように
Shimanoのスモールパーツを使ってハブを改造しています。
このようなハブの組み替え作業はMoku2+4ではよく行うカスタムですが、
その際、ハブの玉あたり調整も漏れなくしています。
新品のハブであっても調整するかしないかで、大きく転がり抵抗が変わりますので、
Moku2+4では新品のハブでも調整は必須です。
クラシカルさを引き立たすポリッシュ仕上げの
AM純正のような切りっぱなしのアルミ板ではなく、
切れ端をぐるりと一周細かく折り返しているところが特徴です。
端が整っているのでより丸みを帯びたデザインになって柔らかい雰囲気になります。
ホワイトのブレーキレバーブラケットに
ターコイズ色のBrooks本革バーテープを巻いて、
青と白だけでないニュアンスカラーをもう一色プラスして少し個性を出しました。
クラシカルを演出するDIA-COMPE(ダイアコンペ)製ウィングシフター。
ハンドルはmade in Japan のNITTO製
サドルはmade in ITALYのSelle Sanmarco ロールス。
組み立て編
リアフォーク稼働箇所のピボット調整やフレームのフェースカット等の下処理が終われば、
次はフレームアライメントの点検です。
ヘッドチューブセンターも点検。
エンドを削って、1mmのズレを修正。
ズレが大きくてもリーディングリンクの兼ね合いがあり、
1mm以上削ることはあまり無いです。
荒削りの後は、きっちり研磨して表面を整えます。
見える箇所をこだわるのは比較的簡単なので、見えない箇所にもこだわります。
研磨後。
削って修正後は、アライメントテーブルでもう一度左右のエンド位置を確認。
削りすぎを防ぐために「少し削っては定盤に乗せて確認して」を繰り返します。
マットガードを取り付ける場合は、Moku2+4ではブレーキ取付ナットを長くします。
交換せずにマットガードを取り付けるとネジ山の噛みがとても浅くなるため危険です。
フレームにピッタリ合う長さのナットがパーツとして存在しないため、
フレームにピッタリ合う長さのナットがパーツとして存在しないため、
ナット長を旋盤で適正な長さに加工します。
加工後は削り面にサビ止めを塗布していきます。
マットガードステーの取付ネジは、エンドの厚みより突き出ているため削ります。
この作業はリアのホイールハブを改造しています。
SSTのリアフレームエンド幅は135mm、Shimano 105のリアハブ幅は130mm。
この5mmを延長するためのスペーサーを製作してハブシャフトを改造します。
この作業も決して難しくはないですが、見えにくい細かな作業を積み重ねていくと、
乗っていてとても楽しいモールトンに仕上がります。
さいごに
今回組み上げたSSTもワクワクする楽しいモールトンに仕上がりました。
この組み上げたBugatti Blueのモールトンに個人的にオススメしたいアイテムがありまして、
それが英国製のCarradiceのキャンバスバッグなんですが、
赤色を合わせてみたら良い感じにウィンテージ感が増してテンションが上がりました。
パニアバッグでも、サドルバッグでも、はたまた両方でも
70〜80年代のサイクリスト、自転車愛好家っぽくて
こんなモールトンを街で見かけたら「お!センス良いね!」
って目で追ってしまうと思います。
SST単体でも充分楽しいモールトンに仕上がりましたが、
もう少しクセが欲しいなと感じられたら、この組み合わせをオススメしたいです。
話は逸れますが、私自身所有するモールトンはクセが多めでして、
はじめは「やりすぎたか!クセ強すぎたか!」と感じたとしても、
次第にそのクセがスルメみたいにジワジワ染みてきて、
そのモールトンに乗るのが楽しくなってくるんです。
全体のラインなど綺麗に整えるとことは整えて、外すとことはハズす。
そもそもモールトン自体のポテンシャルが高いので
結構思い切ったことしても馴染むんです。
不思議な自転車です。