2021-07-16

快適日常使い仕様のAM-GT Mk3 。

ご注文いただいていたAM-GT Mk3の納車が無事終わりました。
スポーツバイク初心者の女性からのご依頼です。
Lovedayハンドルバーにスプリング付きレザーサドルを合わせた
快適日常使いのAM-GTです。

Moku2+4オリジナルで製作した"Loveday バーは、
女性でも乗車姿勢を起こすことができ、
手首もフラットバーと比べて自然な角度握れます。

全体的にパーツなどの仕様はお任せいただいていたので、
コンポーネントはクラシカルなポリッシュ・シルバー色でまとめました。
アクセサリーは選んでいただいて、
薄茶の革サドルにグリーンのパニアバッグをセレクトされました。

左)クランクセットは、フランス製"TA"のカルミナライトに、
TAチェーンリングの組み合わせ。
右)ポリッシュ仕上げがクラシカルなmicroshiftのリアディレラー。

前後ハブは生産終了品のシマノ 7800 Dura-Ace。
入手困難な新品を手配しました。

左)Lovedayハンドルバーにクラシカルなビンテージケーブル。
右)バーエンドシフターは、シマノ7900 Dura-Ace。

サドルは、イギリス製 Brooks B-67 ハニー。

Moku2+4 別注 イギリス製 "Carradice" 防水パニアバッグ。
カラーはグリーンをセレクト。

パニアラックは、もともと黒色ですが、
バッグを取り外した時でもステンレスフレームと同一に見えるように、
クロームメッキ仕様にしました。

パッと見た感じはフレームの一部のように見えます。


<ここから作業編>

下処理を済ませたメインフレームをアライメントテーブルセットして、

リアエンドのアライメントを確認します。

ヘッドセットを取付ける前に、フォーククラウンの下処理。

左)下処理前、右)下処理後。

ハンドルをスムーズに回転させるためには、
ヘッドベアリングに関わる箇所の下処理が必要になります。
本国より届いた状態では、下処理は施されていませんね。

メインフレームと同じように、フロントフォークのアライメント確認と修正。

フロントサスペンションを滑らかな動きに整えるため、各部品を下処理します。
画像)サスペンション・ピストンを旋盤加工。
これらをきちんと整えておかないと
モールトンの要となるサスペンションがスムーズに動きません。

フレームキングピンのストッパーボルトを新たに製作。

モールトンの純正パニアラックですが、元々TSR専用で販売されているため、
TSR以外のモデルについてはフィッティング・パーツが付属されていません。
AM-GTもこのままでは取り付けることができないので
アルミの丸棒からスペーサーを製作します。

旋盤で製作したフィッティング・キット。

パニアラックをメッキするため、塗装を剥離してサンドブラスト処理をします。
左)元の状態、右)塗装を剥離後。


塗装の剥離・サンドブラスト処理ができると、さらにペーパーで磨いて表面を整えます。
作業内容自体は単純なのですが、
サンドペーパーの番数を上げて、ダメだったらまたいくつか番数を下げて磨き直してと
磨く作業の繰り返しなので思っている以上に手間がかかります。