究極の1つ目はエンジン廻り。 見ての通りKAD TWIN CAMです。 現在のクルマにはほとんと感じられなくなった この物々しい機械的な感じがたまりませんね。そしてこの存在感。 エンジンブロックはMiniの純正そのままを使って、 シリンダーヘッドをOHVからTwin Camに変わっています。 エンジン内部もNARITA製パーツでチューンが施されています。 |
究極の2つ目は、シーケンシャルトランスミッションです。
言うまでもありませんが、普通のマニュアルミッションは 1速の下が2速で斜め上に3速とギヤチェンジをしていく Hパターン ですが、 この操作はアップとダウンだけの操作です。
しかし、50年前に設計されたMiniにシーケンシャルを搭載させるのは至難の技です。
またコンピュターによる綺麗な線の機械加工ではなく、
手作り感満載というところも、たまらなく好きです。
当時、このシーケンシャルミッションを製作していたのは
世界中どこを探してもこのNARITA製だけでした。
ギヤの入っているミッションケースは、外観から見てもオリジナルの外観とほぼ一緒で、
構成するパーツもミッションケース内に納められているところが凄い。究極です。
さらに5速ドグギヤシステムも既製品を流用しているのではなくNARITA製です。
ところで何の練習をするの?っという感じですが、
必要なのはこのミッション操作です。
一般的にシーケンシャルと言うとアップとダウンだけなので
操作も簡単なのでは?と思われるかもしれませんが、
通常のマニュアルミッションには シンクロメッシュ という機構があり、
クラッチを踏めば誰でも簡単にギヤが入ります。
しかし、このMiniにはそのシンクロメッシュ機構がないため
クラッチを踏んでも簡単にギヤが入りません。
では、どうやったらギヤが入るの?という事になりますが、
感性を研ぎすましながら、このミッションの構造を頭に浮かべて操作する といった感じです。 操作方法が「頭でイメージする」って…。 ざっくりし過ぎてますが、こうなると人間もクルマの一部といった感じでしょうか。 練習あるのみですね。 クラッチに加えてギヤ位置も把握しにくいシーケンシャル操作… 難しいんでしょうね。 でも音が良いんですよね。 「カタカタカタ、キーン」って歯車が動いている音が感じられます。 分かりやすく言うとトラクターみたい?な感じですかね。 だからこのMiniを例えて言うならば工作機械を操作している感じ。 クルマが『機械』なんだと感じることができます。
余談ですが、NARITA GARAGEのレーシングカーの歴代ドライバーの方でも、
このミッションをサーキットで完璧に操れたのは一人しかいなかったと聞いたような…。 レースシーンで完璧に操作するのは難しいミッションなんですが、 普通に走る分には、ある程度器用な方なら練習は必須ですが操作できます。
現在のクルマも好きな車種はありますが、
ほとんどの操作をコンピュターで制御しているので、 クルマを操るというよりは乗せられている感じがしてしまいます。 もちろん機能性や安全性などを考えると今のようなクルマになるんでしょうが、 コンピュターに依存しすぎるのもコワいなと思ったりもします。 故障したときも、コンピューターがなければお手上げになってしまう。
最新機器もそれはそれで興味がありますが、元々アナログな機械が好きなので、
ほとんどをコンピュターによって制御されていくと人間のいろんな感覚が どんどん鈍っていくような気がして…。 でももうこれは(コンピューターの発達)止められないでしょうね。
もう今後はMiniのシーケンシャルミッションは製造される事は無いでしょうし、
この他にも本や何かでしか見られないパーツがたくさん出てくるんでしょうね。 音は何かしら残せると思いますが、ニオイは残せない。 エンジンのニオイ、機械のニオイ。 (でもコンピューターを使って誰でも残せる時代がくるかもしれませんね) クルマを操作するのが面白かった時代の終焉を迎えているようで、 一つの時代が終わろとしているなと感じます。 Miniを降りるときは、クルマに乗ること自体を止めるんじゃないかな〜と思いますね。 そう思うと自転車のアナログ感は最高です。 今も昔も基本的な部分は変わってませんからね…。 |