TSRの再組み立ての続きです。(#1、#2、#3)
前回、オーナーには長過ぎるステムが取り付けられていたことに触れましたが、
ブレーキレバーも適切な位置に付けられていませんでした。
左)目視でもこの位置はおかしいと分かるんですが、より分かりやすく、定規を当ててブレーキレバーの位置を確認しました。この位置は「下」過ぎます。
右)この位置のままでは、下ハンドルを握ってブレーキレバーを引こうとすると、指に当たってしまって下ハンドルを握って操作する事が難しくなります。
ドロップハンドルは、いろんなポジションが取れるのがメリットなんですが、
このような状態だとドロップハンドルの意味があまりないような…。
ブレーキレバーが問題のない位置に付けられていればバーテープを剥がす必要もなかったのですが、剥がして適正な位置に取り付け直します。
見たところまだバーテープが綺麗だったので、もったいないので再使用できたら良いなぁと思いながら剥がしていました。
綺麗に剥がせて良かったです。このまま再使用しました。
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ブレーキレバー位置を変更完了。 |
ワイヤーケーブル切断後の処理もされていませんでしたね。
細かいことですが一つ一つの積み重ねが大切です。
左)元々付いていた状態、右)ヤスリ掛け後
まだ走行距離が少なかったので、ワイヤーケーブルは変えないつもりでいましたが、
変速ケーブルのところにブレーキケーブルが付いていたので交換しました。
左)シフトインナーケーブルも長過ぎますね。
右)適正な長さに切って、ハンダ処理します。
後々の調整が無駄無くスムーズに出来るようにケーブルの切れ端にはハンダ処理を施します。キャップを付けてしまうと内容によっては使えるケーブルでも取っ替えしなければいけなくなるので。
左)チェーンの繋ぎ方もShimanoが推奨している方法とは逆の繋ぎ方でした。
右)シマノが推奨している方法。
あまり走行していないのに、何故かチェーンを繋げるピンが4箇所もありました。
チェーンの在り合せを使ったのでしょうか?
チェーンも適正に繋いで、一コマ一コマ注油。 |
最終調整をして、試乗して完成です。
今回お預かりしたTSRは、購入されたショップでフロントフォークの修理や
ハンドル廻りのカスタマイズなど一式を依頼されたそうですが、
チェーンひとつとっても、どうして?!なんで?!とビックリすることが多く、
同じ自転車を取り扱う店として考えさせられるものがありました。
自転車に限らず『お店選び』って難しいですよね。
物ではないですが『病院選び』も難しいですし…。
話は逸れますが、持病のイールズ病(眼の疾患)の後遺症がヒドくて、
眼科に限らず、違う方向から改善できないものかと違う科に行ってみたり、
数えきれないほどの病院に行っていますが、今のところ良策は見つけられていません。
体を整える努力もしていますが、我慢して受け入れるのではなくて、
諦めずに向き合っていければな〜と。
気力も体力も必要やとは思いますが…。
なんか全く接点のない眼のことまで考えた今回の作業でした(笑)。
こんな風にお客さんと接してると感じること多いです。
最後に、納車日に自走でご帰宅された時の感想をいただいたのでご紹介します。
『今日、お店を出た後、16km乗って帰ったのですが、
本当に「楽!ストレスフリー!!」だと感じました。
まずは、サス。
今までのは何だったのかと思うくらい、
きちんと衝撃を吸収して安定したライドが楽しめました。
きちんとした調整によって、フロント、リア共に今まで経験したことがないくらい
素早い変速を経験しました。
さらには今回新調したカンパ+velocityのホイールも、
軽快に回ってくれて、非常に快適な帰りの道のりでした。
帰りは35分しかかかっていないので、電車+徒歩より速いくらいです。。。』
感想をありがとうございました。
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