Moulton deluxeの作業の続きです。 前回はフロントサスペンション廻りの分解洗浄を行いましたが、次はリアサスペンション廻りを分解していきます。と言いたいところですが、Moultonを預かってから作業に取り掛かる前にざっくりと全体を確認したときに、軽く見回しても「フロントサスペンションは大変なことになってそうやけど、リアサスペンション廻りも一手間かかりそうやな…」と思っていましたが、案の上、リアピボットが完全に錆で固着していました。 |
右)こうなったらボルトを潰さないと分解できないので気合いを入れて作業します。
左)取り外したブッシュkit、右)現行のモールトン純正ブッシュkit
構造的には今も昔もあまり変わりませんが、装着されていたブッシュは樹脂製のリプレースメントパーツで、現在入手できるSerise1のブッシュkitがこの樹脂製のリプレースメントパーツしかないので、よりよく修復するためにオイルレス(注油不要)ブッシュkitをワンオフで製作する事にしました。
現行のMoultonはオイルレスブッシュを採用していますが、だからといって全く注油しないでいると固着して外れなくなるので定期的な注油は必要です。
左)作業中のMoulton deluxeの純正スピンドル。
右)ワンオフで製作したスピンドル。
今度は現行のMoultonと同じ材質(オイルレス)でブッシュを旋盤で削り出します。
作業開始。少しづつ削っていきます。ブッシュの形になってきました。
完全に削り出す前に、ひとまず作業停止。 完成していない状態で旋盤から外すと、再び旋盤に取り付けた場合に寸法が狂う可能性があるので本来は取り外さない方が良いんですが、いくらブッシュを精密に作ったとしても、フレームの方が真円ではなく楕円になっている事が多く、精度の良いブッシュを合わせてもあまり意味がありませんね。そうなるとやはり現物合わせで作るしかありません。 |
現物合わせで確認中。 イイ感じに仕上がってきたところで、ふと違う方法が浮かんだので作業を変更。 |
右)新しいブッシュを圧入する前に錆を落として軽く研磨し、錆止めを塗っておきます。
ブッシュを圧入後リーマーをかけ、スピンドルの幅を旋盤で調整し、リアフォーク取り付け完了。リアサスペンション廻りもなかなか大変でしたね。まだフロント廻りが残っているので続きます。 |