2012-06-26

BS Moulton 全塗装&オーバーホール Part.2

 Bridgestone Moulton全塗装(Part.1)の続きです。
左)塗装前、右)塗装後
Chirs King製のヘッドベアリングを取り付けるために、フロントフォーク廻りから作業開始。ヘッドチューブの下処理をしますが、この作業は通常の工具では長さが足りないため特殊工具を製作して作業を行います。
左)作業前、右)作業後

Chris Kingのヘッドベアリングは、BS Moulton純正に比べて高さが厚いので、BS  MoultonにChris Kingのヘッドベアリングを取り付けるにはヘッドチューブを短く加工しなければなりません。ヘッドベアリングの厚さ(量)が増えた分、フォークのコラムが足りなくなってしまうからです。
どのくらい短く加工するか決める前に、まずはフォークコラムに下玉押しを取り付けますが、この部分の下処理をするにも特殊工具が必要になります。
BS Moultonの下側のヘッドベアリングが特殊なフィッシャーサイズという昔の規格を採用していて、なかなか現行の既製品では無いのでオリジナルで製作した工具で作業します。

 左)フェースカット前、右)フェースカット後

BS Moultonのフロントフォークのコラムは少し変わっていて二重構造になっています。上の画像は外側のコラムです。
外側のコラム内に塗膜が付いていたので軽めに研磨しますが、何でもピカピカに磨けば良いというものでもありませんね。削りすぎると逆にガタが出やすくなることがあります。


 左)研磨前、右)研磨後

下玉押しを圧入してからここでやっとヘッドチューブを短くする量が決められます。マジックのところまで短くしなければならないので以外と大変です。

左)ただ単にヘッドチューブを短くしてカットしただけの状態。
右)短くカットしてさらに内径をイタリアン規格に処理したもの。

次に上側のヘッドベアリングについてです。BS Moultonのベッドベアリングは上下異なる規格のもので設計されています。ヘッドチューブがテーパーになっているんですね。
そこでさらにややこしくなりますが、BS Moulton純正の上側のヘッドワンは1インチのJIS規格で、Chris Kingは1インチのイタリアン規格です。JIS規格の方が内径が小さいため、Chris Kingを取り付けるためにイタリアン規格に内径を処理します。

いろんな自転車を見てきていますが、左画像のように上面だけ綺麗に面を整えただけで淵がテーパーになっていない物を多く見かけますが、右画像のように内径の淵まで処理していないときちんとヘッドワンが収まらない場合が多いです。

やっと、ヘッドベアリングが取り付けで来ました。

今度は二重構造になっている内側のフォーク足を整えます。塗膜が少し入り込んでいるのでここも研磨してきちんと洗浄します。

Alex Moulton Bicycleもそうですが、BS Moultonのフォークも歪んでいる事が多いのでフォークをアライメント点検します。

 洗浄して保管していたパーツを用意し、フォークの組み立て開始。

やっと、フォーク廻りの完成。フォーク廻りだけでも結構時間が掛かりました。