2025年10月30日
まだ見ぬ景色を求めてモールトンと一緒に探検の旅へ
今回は奈良の明日香村を走ってきました
明日香村といえば石舞台で有名ですが、ほかにも飛鳥寺など「これぞ飛鳥」といった名所は20年ぐらい前にモールトンで巡った記憶がかろうじて残っていたので、ルートからスッ飛ばして目的地を決めずに探索しました。
この日は軽い気持ちで思い立って出かけたため棚田の勾配に四苦八苦...。毎度ながら走行距離は短いのに走行時間は3時間半。
クルマで向かいましたが、漏れなく奈良公園の渋滞にハマり、スタートが11時20分と遅がけに...。それでも20kmぐらいの距離だから遅くとも13時〜14時の間にゴール出来るだろうと昼食はゴールしてからでも大丈夫だろうと鷹を括っていたら全くの見当違いでした。
こんなつもりじゃなかったのに...をループする棚田サイクリングでしたが、美しい明日香村の棚田を見ることができました。そんなサクリングのレポートをご紹介します。
blogの最後に無料アプリRide with GPSで作成したどなたでも共有できるルートMapを貼り付けています。参考にしていただけると幸いです♪
🌳お知らせ🌳
2025年11月15日〜30日まで「飛鳥まるごとチケット」がJR東海から¥1,000で発売されています。ざっくり確認すると、交通機関やグルメ、拝観料など、それぞれでお得に利用できるチケットのようですので、電子チケットのみですがご興味のある方はこの機会にぜひ!
11:00
国営飛鳥歴史公園にある甘樫丘地区 川原駐車場(無料)に到着。
景観のためか駐車場の看板が小さくて見逃してしまい一度通り過ぎてしまいました。ここはキャパも20台ぐらいだったのでシーズンや週末は混むかもしれませんが、飛鳥歴史公園にはエリアごとに駐車場があるので、どこかしらに駐車できると思います。
私たちは敷地内にトイレの有るこの甘樫丘(あまかしのおか)へ駐車しました。
国営飛鳥歴史公園の駐車場:エリアごとに7つあり、有料・無料どちらもあります。
甘樫丘地区 川原駐車場は、それぞれの駐車スペースもコンパクトでクルマの出入りも多いので、なるべく奥に駐車したほうが自転車の積み下ろしはしやすいかもしれません。
たくさん見かけた消火栓マンホール
ここから自転車では厳しい急勾配の細道が続きます
最近、狛犬を観察するのにハマっています
多武峰方面と書かれた案内板の左手に「薬師堂(薬師如来坐像)」と書かれた案内板もあり、薬師堂までは行かないにせよ、先ほど走った棚田の景色が見らるかもしれないと、ルートから外れますが少しだけ行ってみることに。
自転車でも走りやすい道です
17:00
今回は何故か急ごしらで作成したルート以外は走らない"ルート縛り”でサイクリングを進めていきました。
まずは駐車場のある国道209号線を渡り、飛鳥川に沿ったグラベル遊歩道を走ります
川のせせらぎを聞きながら人も自転車ともすれ違わない静かな小道
2D画面でのルート作成時には道の雰囲気は分からないので、ナビがどんな道を案内してくれるのかいつもワクワクしながら走っています。探検してる気分です。
途中、趣のある集落を抜けました。くるくる変化する街並みも味わい深いです。
桜井明日香吉野線(国道15号線)を突っ切り、石舞台を避け、田んぼの細道(舗装路)を走ります
ぐるりと桜の木で囲われた小さな広場
ここは民家も少なく、棚田を見下ろしながら走れる絶景のロケーションです
クルマやバイクが多武峰見瀬線(とうのみねみせせん・国道155号線)を走る中、ひたすら側道を攻めます。側道といってもこの辺りはまだ道も広く、坂もキツくなくて走りやすいです。
さすがにここは自転車を押しました
それまで太陽に煌々と照らされながら走っていたので空気が一変しました。
右手の階段は参道のようにも見えますが、階段を上がっても先へは進めません。
でもその先に何かありそうです。
勢いのある川の音と澄んだ冷たい空気に疲れが和らぎます。
しばらくここで休むことにしました。
式内社 氣都倭既神社(きつわきじんじゃ)
創始年代は不明で、飛鳥時代の645年に起きた乙巳の変で、中臣鎌足が蘇我入鹿の首に追われ、この地まで逃げてきて「もう来ぬだろう」と言ったことから、社地が「もうこの森」と呼ばれるようになったという伝承があります。境内には鎌足が腰掛けたとされる石も残っています。
歴史や地理等てんで疎いですが、氣都倭既神社をキッカケに調べてみたら様々な角度から解釈されていて楽しくなって、私もあの天高く渦まいていた藤蔦には蘇我入鹿が宿っているのではないか...とか、中臣鎌足の後ろめたい気持ちからこんなエピソードが生まれたのではないか...とか適当な空想が広がりました(笑)
当たり前ですがどこの狛犬も同じものはなく、個性豊かでほんわかします
まっすぐ進むと綺麗に舗装された遊歩道があり、案内板には多武峰方面と書かれてありました。
良さげな道だったので凄く気になったのですが、朝7時から麦茶とのど飴以外に何も口にしていなかったのでお腹が減り過ぎてここからまた坂を登るまでの気力と体力がなかったのと、設定外のルートだったので今回は断念しました。でもめちゃめちゃ気になります。
薬師堂方面へほんの数100m進むと遠くの山まで見渡せるところに出てきました。
おぉ!凄いところまで上ってきたなぁ〜って感じです。
ここで折り返します。
行きは民家の見える向こう側の細道を走ってきたので、帰りは手前の集落を下っていきます。
右は談山神社、左は石舞台です。
談山神社は紅葉の名所なのだそうで、またいつかお詣りしたいなと思いました。でもその時はここよりもさらに上に行かなければいけないので心して挑まねば...
この左手に主要道路の多武峰見瀬線が走っていて、クルマやバイクは基本、この多武峰見瀬線を走っています
急に勾配が上がるのでまた押して歩きます
ここは坂田地区の棚田です。
先ほどの細川地区とはまた違った角度からの棚田が見られます。
季節によって様々な表情が見られるのでしょうね。
日本の原風景、本当に美しい地域です。
こんなとこ通る人いるの?と思いながら渋々通ってみる。
でも逆にここから自転車で入るのは勇気がいりそうです。
左手前に見えている舗装路、桜井明日香吉野線(国道15号線)を通って先へ進みます。
綺麗なトイレ付き休憩所の案内図
休憩所の目の前は稲渕地区の棚田の中を走る案山子ロードとなっていますが、作成ルート縛りで動いているため、一度稲渕集落をぐるりと回ってからここに戻り、案山子ロードに入りました。
ここの集落はカットしても良かったかもと思ったり思わなかったり...。
稲渕棚田の案山子ロード
9月26・27日に案山子祭りが開催され、コンテストにエントリーされた案山子たちが飾られています。11月上旬までの展示だそうですが、案山子がなくても充分楽しめると思います。
棚田内を一度抜け、大きな通りをほんの少し走り、また棚田内を走ります
飛鳥川に沿った綺麗な遊歩道を下り、現在地にいます。
まだ何も口に出来ていないので何か食べ物のお店はないかと意識しながら石舞台地区を進み、田んぼの中の細道(舗装路)を走っていたら、ふいにゴール地点の国営飛鳥歴史公園前の国道209号線まで戻ってきていました。
残念...どこにも立ち寄れなかった...お腹減った...。
田んぼ道の終点である国道209号線には信号がなく、クルマも途切れなかったので少し先の横断歩道まで移動しようとしたところに、上り下り双方のクルマがゆっくり止まってくれて安全に横断することができました。奈良公園の鹿になった気分です。
14:20
駐車場に戻ってきました。
本当は最後にこの飛鳥歴史公園内も走る予定でしたが、完全にエネルギー不足です。
(後で調べたら、この公園内には蘇我蝦夷の旧邸宅跡地があり、蘇我入鹿の暗殺後、父の蝦夷が自宅に火を放ち自害したとされる場所がありました。当日は便利な駐車場としか認識しておらず後でこのことを知り、行っとけば良かったと思いました。実際はお腹減り過ぎて無理でしたけども...)
どうやら今回のルートで飲食店のある地域は序盤に集中していたようです。
駐車場周辺には飲食店がなかったので、このまま飲食店のあるエリアまで戻ろうかと、幾つかのお店に電話しましたがどこもランチは終了していました
急坂に時間を費やしたのもありますが、ロケーションが良過ぎてそれぞれに結構な時間を使ってしまいました。20kmでこんなに時間が掛かるとは...。
ルートを逆にしていたらランチにギリギリ間に合ったかもしれません。
結局、1.8km先の近鉄飛鳥駅前にある「道の駅飛鳥」へクルマで向かい、熱々の五平餅を食べて夕食までやり過ごしました。
<おまけ>
帰りは24号線でのんびり帰ってきました。
以前、奈良県川上村にある清谷神社のサイクリング帰りに立ち寄った京都府木津川市にある「れすとらん やましろ」です。楽しみにしてました!
こちらは迷いなく以前と同じミックスフライ定食を注文。
このミックスフライ定食は初めて訪れた際に皆さん注文されていて真似して注文してみたら美味しくてハマりました。
洋食だけでなく、おうどんやお蕎麦もあって、朝9:00〜夜20:30まで通し営業されているので24号線を通られる方はお薦めです!
さいごに...
今回作成したルートの雰囲気は、時には勾配のキツイ20%超えの集落が現れたり、時には草むらから出てきたりと、狭くて短い坂を登っては下ってを繰り返し、前半はほぼインナーギアでしたが、押して歩いて、目まぐるしく変わる景色に感性が刺激されて走りごたえもあって、なかなかの疲労感でした。
その地域をサイクリングするというよりは探検する感覚で、狭い地域をこんなに深く探索できるのは自転車の面白さだと思います。
明日香村はそこかしこに蘇我一族と藤原一族のエピソードが存在していて、切っても切り離せない間柄なのだと勉強になり、歴史に疎い私でもこれからそんな風に想いを馳せながらサイクリングできるようになれば、またさらにサイクリングの楽しさに深みが増すだろうなと思いました。そう感じつつも、まだ今は下調べせずに気ままに走って偶然見つけた場所や景色に反応したいなとも思うので、現地の情報はやっぱり後追いになるのだろうなぁと思いました。
山深い奈良も本当に魅力的ですが、今回のサイクリングではまた今までと違った奈良の魅力、古代ロマン溢れる奈良の一面にほんの少し触れることができました。
少しずつでも知識を蓄えて「自転車と歴史探訪」なんてテーマで自転車旅が出来たら素敵ですね。
近鉄飛鳥駅からも、クルマからでもアクセスできる明日香村の棚田巡り、これからは紅葉が見頃とのこと、ぜひ皆さんも自転車で巡ってみてはいかがでしょうか♪














