2012-07-06

Double Pylon Stainless(New Blue) 組み立て Part.1

Double Pylon Stainless の組み立てです。
まずは分割部分のキングピンのチェックから。
キングピンを取り外しすと、今回もやはりグリス無しの状態でした。

グリスを付けて再度組み直します。
ここでちょっとこぼれ話を。
AMシリーズはホイールのインチ径が違っていたり、サスペンション構造が違っていたりするだけでなく、同じように見えて細かな部分が違ってたりします。細かな部分なんて予告無しに変更されてて開けてびっくりなんて事もありますが…。
Double Pylonだけに見られる細工として、左側のキングピンが他のモデルと違ってフレームとぴったり面一に収まります。画像では確認しにくいですが、(左)の赤で指しているボルトが他では見られない細工で、キングピン本体にこのボルトに合わせた割(わり)が入っていて、このボルトがストッパーになって、キングピンを引き出すときも抜け落ちることなく、綺麗にフレームに収まる仕組みになっています。
どうも上手く説明できませんが、他のAMシリーズには見られない細工です。細かいところですが、ニヤリとしてしまいますね。
初期モデルと違うところもありました。
青が今回入荷したもので、赤が初期モデルです。
フロントフォークのクランプ形状が変更されていて、よりしっかりとフレクシターを挟み込める形状に変わっていました。

ヘッドベアリングもスレッドタイプ(左)から、アヘッドタイプ(右)に変わっています。

フォークコラムも初期モデル(赤色)より外径が大きく(太く)変更されていて、一般的な1インチサイズになっています。
このフォークコラム径については、何年も前から太くするようにMoulton社に伝えていたので採用されて良かったです。これで剛性が高くなっていると思います。

ベアリングも取り外してグリスの状態や細部の確認をします。
新品だからと言ってそのままにしておくのではなく、一度分解して自分で確認した方が安心です。
ヘッドベアリングが収まるフレーム側を確認するとバリが出ていたので削ります。
やはり分解して確認が必要だなとつくづく思います。新品なので本当はそのまま組み立てたいという気持ちですが、モールトン自転車はそうはいきません。新品からどんどん分解していくのには忍耐が必要だ!なんて思いますね。
左)バリが出ている状態、右)バリを削った後

ヘッドベアリングのグリスもたっぷり付いている訳ではありません。でもわざわざ取り外して全部洗浄しなくても上からグリスを足せば良いのですが、もしかすると小さなバリなどが付着していたらと思うと、全部洗浄して自分で確かめるしかありません。モールトンは「もしかするともしかする…」という事が今までもよくあったので…。
Classic Miniの新車整備の時も「何で!こんなにフレームがズレてんの?」なんてこと頻繁にありましたからねぇ。まぁ、同じような感覚が働くのかもしれません。

またまた組み立て作業から脱線しますが、ヘッドベアリングが収まるヘッドワンと言われているパーツですが、Double Pylonは他のモデルと違ってフレームと一体構造になっています。フォークも全部分解してフレーム単体にするとよく分かるんですが、不思議な自転車です。
作るのに本当に手間が掛かっていて、こんな手の凝った自転車は無いでしょうね。フレームの眺めも強烈な個性を放っています。

フレームのインナーケーブルが通るガイドには、(右)のようなゴミ?みたいな物がよく詰まっています。こんな状態でインナーケーブルと通してもどうかな?と思うので、一生懸命取り除きます。
この作業、以外と面倒なんです。ガイドも微妙に曲がってて、一度でごっそり気持ち良く取れたら良いんですが細かいクズがいつまでも残ってて結構しぶといんです。ある程度取り除けばエアで飛ばすんですけどね。些細なことですが、これも『モールトンあるある』のひとつです。こんな細いケーブルガイドなんて他の自転車では見られませんからね。

取り除いた後は、ワイヤーケーブルの滑りが良くなるようライナーを取り付けます。
全てのガイドにライナーを取り付けます。地味な作業です。
近頃のハイドロラスティックサスペンションはステンレスを磨いたものに変わっています。以前はここに色が入ってました。
今回は初期モデルと比較しましたが、こんな感じでちょこちょこ変更されています。
ということで今回はこの辺で…。