2012-07-29

AM-20 Mk2 (Royal Blue) 組み立て Part.1

AM-20 Mk2の組み立てです。まずはハンドル廻りから。
ハンドルステムをアヘッドからスレッドに仕様を変更します。

左)『アヘッド仕様』のモールトン純正ウィッシュボーンステム
右)『スレッド仕様』のモールトン純正ウィッシュボーンステム
AM-20のステムはこんな感じで展開されています。
標準      :『アヘッド仕様』のモールトン純正標準ステム
オプション   :『アヘッド仕様』のモールトン純正ウィッシュボーンステム
オプション(+α) :『スレッド仕様』のモールトン純正ウィッシュボーンステム

基本はアヘッド仕様なので、何も指定せずに注文すると『アヘッド仕様の標準ステム』が届きます。
オプションの場合は、『アヘッド仕様のウィッシュボーンステム』が届きます。
そこにプラスαして、『スレッド仕様のウィッシュボーンステム』も本国へオーダーすることが出来るんですが、特注扱いでかなりコストが掛かるので、Mokuでは本国でする加工を店でしています。

コストがどうのこうのと脱線してしまいましたが、要するに今回のAM-20は『スレッド仕様のウィッシュボーン』として注文したオプション(+α)のAM-20です。

ステムの説明でえらく長くなってしまいましたが、ドロップハンドルが初めてという方には『スレッド仕様のウィッシュボーンステム』をオススメしています。スレッド仕様は、ハンドル高さの微調整が簡単に出来て、見た目もシンプルだからです。
基本的にAM-20のフレームは全てアヘッド仕様で展開されているので、こちらで加工(フォークコラムを切ってネジ切りをする)していますが、加工してもハンドルの位置を上げたり下げたりが出来るので、スポーツバイクが初めてという方や、ポジションがまだ定まっていないという方にオススメしています。


左)スレッド仕様のステムは、フォークコラムに入れこむ(差し込む)ので、上部のボルトを緩めれば入りしろを変わってハンドルの高さが調整できます。
右)アヘッド仕様のステムは、フォークコラムにステムを被せるように取付けるので、スペーサーでステムの高さ調整します。

簡単に言うと、ステムそのもので調整するスレッド仕様とスペーサーで調整するアヘッド仕様という感じです。


アヘッド仕様の高さ調整はこんな感じで、高さを低くしたい場合、手で持っているコラムスペーサーを抜いてステムの位置を低くし、抜いたスペーサーを上部の突き出たコラムに被せます。フォークコラムの長さは決まっているので、ステムの位置を下げた分、フォークコラムが飛び出したままになるのでスペーサーで隠すという感じです。

ご自身のポジションがはっきりと分かっていて、ハンドルの高さが決まっていれば、上部に突き出たフォークコラムをカットして見た目もスッキリする事が出来ますが、Mokuではスポーツバイクに初めて乗られる方や、はじめてドロップハンドルにチャレンジするという方が大半を占めるので、購入する前からきちんとご自身のポジションが定まっているという方は少ないですね。アヘッド仕様を選択される方には、予めこういった点を説明しています。
画像を見ても分かるように、アヘッド仕様のフォークコラムは一度切ってしまうと高さを下げる事は出来ても上げる事は出来ません。その点スレッドタイプのウィッシュボーンステムは、高さ調整も出来て、ステムの角度も調整も出来るので、はじめての方にオススメです。

左)モールトン社から送られてきたアヘッド仕様のフォークAss'y。
右)加工、点検修正のためフォークAss'yを全分解して、元々付いていたグリスも全て洗い落とします。


左)ヘッドチューブに対してフォークコラムがめちゃめちゃ長いです。
右)ウィッシュボーンのスレッド仕様にするために、左側グレーのフォークのようにコラムを短く加工して先端にネジを切ります。


左)フォークコラムです。手で持っている分の長さを切りました。
右)コラム先端にネジを切りました。ネジを切る作業はコラムに対して直角に切っていかないといけないので気を遣います。


左)スレッド仕様のフォークコラムは、ステムが差し込めるようにコラムの内径にリーマ加工(内径を広げる)がされていますが、このAM-20は元々アヘッド仕様なので、リーマ加工がされていないため、ステムがコラムに全く入りません。
右)リーマ加工してステムがスムーズに入りました。


ここからは基本的な作業です。ヘッドチューブをフェイスカットして、下玉押しもフェイスカットします。


フォークの加工、下準備が整ったら、今度はメインフォーク、サブフォークそれぞれの歪みを点検修正します。


左)本国より組み立てられたフォークAss'yは、大抵ボトムリンクがフレームと干渉しています。フレームに干渉していると摩擦が起きてサスペンションの動きが鈍くなってしまうのでモールトンのサスペンションも充分に楽しめません。
右)フレームとボトムリンクが接触しないようにボトムリンクをほんの少し削ります。現物合わせでしか加工出来ない作業ですが、加工後は隙間が空き、中のフリクションプレート(黄緑色のプレート)がうっすらと確認できる状態になります。これがモールトンサスペンションのベストな状態です。


フォークもコラムも短くカットして、コラムのネジ切りもして、フォークのアライメント点検修正して、ボトムリンクの加工もして、これでようやくウィッシュボーンステムのスレッド仕様が完成です。次回はフレームを組んでいきます。