2014-03-03

AM-20 (Red) 組み立て #2

AM-20(Red)の続きです。(#1はこちら)

組み立てられて納品されるフロントフォークを削ったり修正するために分解します。
指先で持っているサスペンションピストンの動きは大抵渋いので一度取り外し、少し削って動きを軽くします。
フォークエンドもこんな感じでズレている事が多いですね。
修正後。

今度はメインフォークとサブフォークのそれぞれのアライメントを確認します。
サスペンションの動きを良くするためには重要な点検ですね。

それぞれフォーク単体での点検、修正を終えたら、アライメントを確認します。
メインとサブフォークそれぞれの精度を確認し修正しましたが、左右のエンド位置の高さが少し違います。

メインとサブフォークそれぞれ単体で精度を確認するのは、サスペンションの動きをみるためで、フロントフォークを組み立てた後も精度を確認するのは、実際の走り(転がり、ハンドリング)に影響してくるからです。
このように状態によって確認する意味合いも変わってきます。
リアフォークエンドの精度も同じで、走り(転がり)に影響するためアライメントを確認します。
フォークエンドのズレを少し削ります。

手組みのホイールを付けていきますが、いつものようにハブシャフトがフレームエンドより突き出しているので、突き出している量を測ります。
このままではクイックシャフトの締め付けが弱くなりますね。
突き出たシャフトの分、ワッシャーなどを入れてカバーする方法もありますが、ごまかしてる感じが個人的にあまり好きではないのでハブを一度分解して、フレームエンドに合わせてハブシャフトを旋盤で加工します。

納品されたフレームを組み立てながらてキングピンを締めている時に発見したのですが、フレーム同士の隙間が大きすぎてドキリ。嫌な予感しかしない…。

フレームをもう一度分割して確認してみると、アルミ製のキングピンとキングピンが通るフレームとの隙間が広すぎました。
おそらく、キングピンが収まるパイプを溶接(ロウ付け)する時に熱を入れすぎて円が楕円になったのでしょうね。
画像では分かり難いですが、手で持っているアルミ製キングピンのガタが大きすぎて、斜めにも動いてしまいます。
このフレームはこのような事からイギリスに返品して新たに再製作の依頼をしました。
という事で納品が2回ありました。

今までこのような事以外でも自分が納得出来ない場合はイギリスに返品しています。Moultonにいろいろな事を求めるのは難しいのは重々分かっているのですが、少しでも良い物をお渡したいなと思っています。

Classic Miniもそうですが、良いMiniを買うのか、それとも相性で買うのか、それとも金額で買うのか、どこに重きを置いて買うのかによって、その後のそのものとの付き合い方も変わってくるじゃないかと思います。
情報に惑わされず、自分の価値観を大切にして吟味しながら購入するのが一番後悔しない買い方かもしれませんね。

納車時にパチリ。
AM-20にCampagnolo Recordのコンポ、このAM-20のために長い間取り置きしていたポリッシュのフェンダーにキックスタンド、性能と実用性を兼ねたパキッとしたイタリアンレッドがとてもお似合いですね。
京都も徐々に暖かくなってきて自転車が楽しい季節になってきました。